防犯啓発へ 犯罪情報など紹介
新聞販売所の社会貢献活動を表彰する日本新聞協会の「地域貢献大賞」に、防犯チラシ「じもとの事件簿」を発行する平塚地区新聞販売組合が選ばれた。市内で発生した犯罪や火災、交通事故などの情報を網羅し、組合に加盟する21の販売所が毎月10日、新聞折り込みで家庭に届ける取り組み。編集に携わる新聞販売所所長の蓑浦誠さんは「組合の活動が評価され光栄」と受賞を喜んでいる。
「空き巣や自転車盗難など、新聞には載らない地域の事件を知ることが防犯意識の向上につながる」と、蓑浦さんが所長を務める読売新聞平塚東部販売センター(松風町)が2007年に発行を始めた。
平塚警察署から毎日届く情報をもとに、前月に発生した事件の日時や町名、具体的な手口を紹介している。「じもとの事件簿」というタイトルは、親しみやすく内容が一目で分かるようにと蓑浦さんが考えた。
当初は店の配達エリア向けに7000部を作成していたが、2008年1月からは組合全体の取り組みに拡大。発行部数は10万部に増えた。新聞購読者以外にも手に取ってもらおうと、金融機関や公共施設への設置も行っている。
市消防本部と連携して火災情報を載せたり、振り込め詐欺の被害金額や交通事故件数を記して注意喚起を促したりと、両面印刷のチラシは毎号様々な情報で埋め尽くされる。日々発生する事件を知ることで、犯罪傾向や手口の多様化を蓑浦さん自身も実感するようになった。本業の傍らで行う編集作業は時間と手間がかかるが「具体的な情報を伝えることで、少しでも防犯の心掛けになれば」。
地域貢献への姿勢を示すことで、新聞販売所に対するイメージの向上につなげることも組合の目標だ。新聞配達や集金などで決まった日時に家庭を訪問する業務特性を生かし、2010年には市と組合で地域の見守り活動に関する協定を結んだ。「ポストに新聞がたまっていると、何かあったのではと異変を感じることもある。身近な気づきから、事件や事故の未然防止にあたりたい」と蓑浦さんはいう。
「じもとの事件簿」は、今年10月の発行で70号を迎えた。活動は業界紙で報じられるなど、他の組合からも注目を集めるようになったという。蓑浦さんは「小田原市と大磯町では、一部の販売所で同様の取り組みが始まっている。今後は作成のノウハウを提供し、全国の販売所にも広がってほしい」と期待している。
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