店の強みを生かした「逸品」の開発に取り組んでいる平塚逸品研究会(中島義貴会長)が21日、今年度の成果を発表する「逸品お披露目会」を平塚商工会議所で開いた。来場者による投票形式のグランプリも行われ、フード部門1位にサンメッセしんわ(高根)の「湘南みかんパン」、ノンフード部門では、いつか珈琲屋(河内)の「コーヒーをめぐる冒険ツアー」が1位に輝いた。
見て食べて楽しめるパン
社会福祉法人進和学園が運営している知的障害者のための社会就労センター・サンメッセしんわは、大磯・二宮産の青摘みみかんをふんだんに使用した「湘南みかんパン」を出品、来場者の心を掴んだ。
地元で収穫された規格外のみかんを使って何か商品を生み出せないかと考えたのがきっかけ。みかんの果汁をたっぷりと練り込んだあんを、平塚産小麦を使用したパン生地で包んだユニークなパンを誕生させた。より本物のみかんに近づけようとパン生地にもみかん果汁を練り込むこだわりようで、同施設の三浦昌弘さんは、「見た目も風味もみかんの特色を生かした逸品に仕上がった」と胸を張る。
同施設の移動販売車や市役所1階に開設している福祉ショップ「ありがとう」などで販売。1個180円。三浦さんは、「冷凍して食べるのもおすすめ。爽やかな酸味のきいた新食感を楽しんでほしい」と話している。
コーヒーで味覚広げる
いつか珈琲屋のオーナー加藤日出夫さんが考案した「コーヒーをめぐる冒険ツアー」は、90分のワークショップ。コーヒーの香味や品質を評価するカッピング技術を用いて好みの味覚を発見し、感性を磨く。豆の特徴や淹れ方などの知識を学ぶ教室とは趣が異なる。「コーヒーの味わいは人それぞれ。正解はない。ワークショップでは、心を解きほぐして自分を表出すればいいのですよ」と語る。
コーヒー好きが高じてサラリーマン時代に「いつか珈琲屋をやりたい」と夢を抱き、10年ほど前に開店した。生産地の農園に足を運んで豆を買い付け。店内で焙煎、挽き売りしている。「美味しいコーヒーを飲みたい」という顧客の視点に立ち、コーヒーと対話する楽しさと出会うための案内役を笑顔で務める。
ツアーは毎月12日「出発」。参加費3千円。3月まで毎日、ミニワークショップも開く。
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