チームの誇りは美しい伝統機体
東海大学の学生人力飛行機チームが7月25、26日に滋賀県彦根市で行われる「第38回鳥人間コンテスト2015」(主催/読売テレビ)に出場する。琵琶湖に設けられた500メートルのコースの往復タイムを競うレースに手作り飛行機で挑む。
同コンテストに出場するのは2年連続、29回目。4年ぶりの出場を果たした昨年は完走できず記録なしの結果に終わったが、「今後に希望が持てる、綺麗な飛び方だった」と同チーム代表の花井彰充さん(工学部航空宇宙学科3年)は話す。今年も、設計図などを提出して行われる書類審査に合格し、無事出場を決めた。
チームの伝統は、機体の下に翼がついた低翼式の飛行機でコンテストに挑むこと。世界記録の飛距離を樹立し、現在人力飛行機の中で主流のモデルとなっているのは機体の上に翼を設置する高翼式のダイダロス型だが、「せっかくテレビにも取り上げられる鳥人間コンテストで、同じような形の飛行機ばかりではつまらない」と、安定性には欠けるが、長い翼となめらかなフォルムが美しい低翼式にこだわる。
昨年の結果から、パイロットの体力不足が課題に挙がった。「パイロットにまず求められるのは軽さ。その上で機体を操縦して、動力となるペダルを漕ぎ続けるスタミナも必要です」と花井さん。パイロットの体力養成は、同大体育学部の教員、学生らが全面バックアップする。特別トレーニングメニューで持久力はもちろん、脚力、体幹も鍛え上げた。
現在チームに所属するのは65人ほど。全学部の学生が所属可能だが、理系学部の学生がほとんどだ。授業で学んだ知識が、機体の素材選択や、設計などの役に立つ。「具体的に習ったことを実践する場があるので勉強も楽しい。いろんな学部学科がある東海大だからこそのチームワークも他チームには真似できないところ」と胸を張る。
先輩たちから受け継いだ機体には、後継者という意味のドイツ語「Nachfolger(ナーハホルガー)」と名前を付けた。花井さんは「目標は優勝。そのためには完走しなければいけない。先輩たちのように、後輩たちにつなげられるようなフライトにしたい」と話す。静岡県富士川滑空場で今年行ったテスト飛行での、翼を大きく広げてふわりと飛ぶ機体の様子が目に焼き付いて離れないという。「機体や飛び方の美しさで、人力飛行機の魅力を伝えたい」と、チームの誇りを詰め込んだ自慢の機体とともに、青空に向かってペダルを漕ぐ。
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