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平塚市美術館「ペコちゃん展」を企画した同館学芸員 勝山 滋さん 小田原市在住 43歳

公開:2015年8月6日

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勝山 滋さん

「今、美術館は面白いんです」

 ○…子連れや遠方からの来館者で賑わう展示会場。美術館の間口を広げる狙いが成功し、「どの世代にも受け入れられるペコちゃんは、元祖国民的アイドルですね」と穏やかな笑顔。2年間、他の企画展と並行して準備に奔走し、開催にこぎつけた。今は「少々燃え尽き気味」と笑う。

 ○…商業用カメラマンの父や親戚の建築家をあげ、「普通にサラリーマンが出来ない血が流れてる」と冗談めかした自己分析。子ども時代は、都内の自宅から美術館めぐりに明け暮れた。「美術館は日常を忘れられるようで居心地が良かった」と振り返る。「何らかの形で美術に携わる仕事がしたい」と、東京芸大の芸術学科に進学。日本美術院100周年史編纂室でのアルバイトをきっかけに、高崎タワー美術館の開館準備室を紹介され、卒業後の2年半を過ごした。平塚市美術館へは、前館長の福田徳樹氏からの誘いを受け、2000年に着任した。

 ○…休みの日も都内の展覧会に足を運び、企画や展示方法のヒントを探る熱心さ。自宅に帰れば中学一年生の息子を持つ父親だ。息子はサッカーや囲碁に夢中で「家ではあまり美術関係の話はしないですね」と頭をかく。

 ○…年に約2本の企画展を担当する。得意分野は近代日本美術だが、「何年かごとに、『もう日本画はいいや』ってなる」と、毛色の異なる展示を企画したくなるという。ペコちゃん展も2年前の「もういいや期」に、ガムの包装デザインからヒントを得て発案した。同館に隣接するペコちゃんの「後見人」、不二家平塚工場から全面協力も得られ、「単なる資料展にはしたくない」と、現代作家にペコちゃんに因んだ新作の依頼をかけた。同館では珍しい取り組みだったが、周囲のサポートと人脈を生かし、20代から60代の作家まで、多くの作家の作品が集まった。「美術館の新たな側面を感じさせる企画を目指しました。今、美術館は面白いんです」



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