湘南ベルマーレ(水谷尚人社長)で、9月に受け入れた海外インターンシップ生の研修が間もなく終了する。インターン生は外国人ならではの視点とアイデアで、今季J2優勝したクラブ運営に寄与。帰国後は日本で得た知識を生かし、”ベルマーレ大使”を名乗りチームを支えていく。
母国に積極PR
インターンに参加しているのは、インドネシア出身のギャジースマウィナタさん(24)。スポンサー獲得やチケット販売などを主な業務とするセールスユニットのスタッフとして働いている。
ギャジーさんは、コンサルティングやマーケティングを専門とする企業で約2年研鑽を積み、経産省の「外国人受入インターンシップ事業」に応募し、2000人の中から15人が選ばれる審査をクリアして来日した。学生時代は野球選手として活躍したスポーツマンで、「母国のプロリーグでもサッカー人気は高く、スポーツビジネスに興味があった」とベルマーレを志望した理由を語る。
流暢な英語を話す一方で、日本語が話せないギャジーさんにとっての不安は会話。「日本人は英語に対して消極的になる」といったイメージを抱いていたが、積極的にコミュニケーションを取ろうとする職場環境がそんな不安を払拭した。
仕事内容を理解すると個性を前面に出したスタイルで、ベルマーレに新しい風を呼び込んだ。各国大使館に集う外国人コミュニティーに飛び込んで人脈を広げ、「インターナショナルデー」と題して行われたホームゲームでは、イベントの一部を担当。大使館を通じてインドネシア人学校から児童10人を招待し、日本の子供と親睦を深める前座試合を企画した。インドネシア側の評判もよく、J1に上がる来年は観光名所巡りと試合観戦をパッケージにしたツアーを提案するなど、チケットの販路拡大につなげている。
ベルマーレの外国人インターンシップ生の受入れは、「クラブの国際化」を掲げる水谷社長の考えで実現した。「外国人インターンシップ事業」は、事前に登録した日本企業に開発途上国の若手人材を派遣するシステム。多くの企業が海外への事業展開の足掛かりとして活用する中で、他国の文化に触れることで社員の意識改革を図る事例も少なくない。
イスラム教を信仰するギャジーさんと働くことで「文化の違いが刺激になった」と多くのスタッフが口にする。セールスユニットの遠藤さちえさんは「物怖じしない外国人特有のコミュニケーション能力は見習う部分がたくさんあった。繋いでくれた人脈を生かすも無くすも今後の私たちの努力次第」と話す。
インターンは間もなく終了し、ギャジーさんは今月22日に帰国する。3カ月間の業務で感じたベルマーレの魅力や強みをまとめたセールスシートの作成に取り掛かり、帰国後は以前の勤務先に戻り日本で築いた人脈をもとに自国や欧州の企業に対して、スポンサー契約を働きかけるつもりだ。「この経験が必ず次のキャリアに生きてくる」と語り、「いつかゴール裏のサポーター席でベルマーレを応援したい」と声を弾ませた。
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