復興へ50人の波乗り 岩手の巨大サーフボード大磯に
長さ8・2m、幅2・4mの巨大サーフボードで波乗りを体験するイベントが17日、大磯ロングビーチで行われ、一度に最大50人乗りのサーフィンを成功させた。ボードは東日本大震災で被災した岩手県の中学校から寄贈されたもの。復興支援のシンボルとして9月11日までロングビーチに設置されている。
重さ200kgの巨大なサーフボードが大磯ロングビーチの波のプールに浮かぶ。そこに50人の子どもと大人が身を寄せ合って乗る。板がゆっくり滑り出すと、彼らはバランスをとって立ち上がり、大歓声を上げた。
大磯町体育協会サーフィン部が主催した「大磯キッズサーフィンチャレンジ大会2011」のなかで行われたイベント。東日本大震災の復興支援にと、ロングビーチに遊びに来ていた一般入場者から義援金を募り、ビッグボードで波乗りを体験してもらうチャリティーも実施された。
巨大なサーフボードは、岩手県から大磯にやって来た。「クラス全員23人でサーフボードに乗りたい」という、種市町立中野中学校(現在は洋野町立中野中学校)の3年B組の生徒の夢を叶えるために製作され、生徒たちが2005年に波乗りを成功させた。
この板に、大磯サーフィンコンテストを毎年開催している大磯サーフィン協会が注目。大会を盛り上げる目玉にしようと、昨年のコンテストに巨大ボードの誘致を考えた。洋野町と同じサーフィンのメッカであり、湘南発祥の地でもある大磯へのボード貸し出しは快諾を受けた。ところが、運搬に多額の費用がかかるため誘致を断念。改めて今年の大会に登場させようと検討していたところ、3月11日に震災が発生した。
サーフィン大会が中止になったなか、「巨大サーフボードは無事だった」という話が同協会から大磯プリンスホテルの原千明支配人に伝わった。「被災地復興のシンボルとして巨大ボードの活用に協力したい」との申し出が同ホテルからあり、大磯ロングビーチでの今回の波乗りイベントが実現した。
巨大ボードに乗った大磯小学校3年生の北野莞大くんは「世界に一つだけしかないボードに乗れて嬉しい」。同級生の古屋伸悟くんは「ボードを大切にして岩手の人にも気持ちを伝えたい」と話していた。また、大磯サーフィン協会の田原靖夫会長は「全国各地の海のイベントなどで巨大ボードを活用して被災地の復興支援に役立ててもらえることを願います」と語った。
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