二宮葛川にアユ遡上 町民グループが調査
二宮町のボランティアグループ「葛川をきれいにする会」(門脇義昭会長)が行った水生生物調査で、同町域の葛川にアユが遡上していることが確認された。同会は、下流の大磯町内で8年前にアユを見つけているが、二宮で観察できたのは初めてという。
アユの発見は先月20日。大磯町に近い下浜橋から上流の田端橋までの6地点で投網と手網にかかる生物を調べたところ、スーパー西友駐車場脇と下浜橋付近で計9匹を捕獲した。体長は10・5〜17cmだった。
2001年に発足した同会は葛川清掃に取り組み、水質や生物の調査を実施。アユが二宮で生息していることは今回初めて分かった。「前日の降雨で川の水量が増え、アユが堰を越えやすくなって遡上してきたのかも」と藤田尚志さんは推測する。以前の調査と比較して全地点でオイカワが数多く確認され、アブラハヤやヨシノボリ、ヌカエビ、メダカ、シマドジョウなど生物の種類も一番多かったという。「下水道整備の要因も含めて、調査結果は全域で水質が改善した裏付けでは」と同会は見る。
葛川清掃を始めた頃はごみの不法投棄があり、川底にヘドロが堆積。ごみを回収した後は手を洗ってもヘドロ臭が消えないほど汚れていたそうだ。美化活動には「地域の環境を良くする会」(長谷川芳男会長)も関わり、水質を浄化する作用があるEM活性液を葛川や梅沢川に毎週1トン注入。今では二宮小学校の児童らが川に入って生物観察をするまできれいになった。
「葛川にアユを呼ぼうと10年間活動してきた成果が表れたのは喜ばしい」と門脇会長。同会はアユの定着を図れるよう、平塚土木事務所に調査結果を報告し、魚道の整備を要望した。
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