東大跡地 利用法は取得後に検討 二宮町 4億5千万円で購入へ
二宮町が4億5千万円で買い取る意向を示している東京大学果樹園跡地(二宮町中里)の利用計画について坂本孝也町長は、二宮駅北口の再整備を軸とした将来の公共施設移転の代替地などに活用する構想を上げ、土地取得後に具体的な検討を進めていく考えを述べた。5日にあった3月定例会2012年度予算総括質疑で添田孝司議員の質問に答えた。
東大果樹園跡地は、小田原厚木道路を南北にはさむ面積3万7625平方メートルの土地。跡地購入について坂本町長は「町にとって最後の広い土地。夢はあるが、利用方法を現段階では決めない。庁内や議員、町民、専門家などと慎重に検討していきたい」と話した。町では2015年度までに町立二宮小学校の大規模改修、吾妻山公園再整備、梅沢海岸の離岸堤設置など多額な費用がかかる事業を予定しており、これらの事業が完了した後で跡地利用を定める方針だという。また、具体的な利用計画が決定するまで、民間への貸し出しを含めた暫定的な使用方法を探ることもありと話した。
東大果樹園はミカン栽培に適した場所として1926年に開園。2008年3月に閉鎖された後、東大から町へ10億円で売却する打診があった。しかし、町は厳しい財政から購入を断念。東大が5億円に値を下げして提示し、町は昨年から交渉を進めていた。
果樹園跡地の購入費を捻出するため、町は環境整備基金と公共施設用地取得基金、土地開発基金、協働まちづくり基金を廃止。これら4基金廃止に関する条例改正と跡地購入費などを盛り込んだ11年度一般会計補正予算は3月定例会で可決している。
跡地の利用構想には、少子化をにらみ、二宮小学校と一色小学校を統廃合して東大跡地に学校を建設する案、交流果樹園、防災広場や災害時の仮設住宅建設用地などがあげられている。
利用目的がはっきりしない段階での跡地購入に対しては疑問を呈する議員や町民も。跡地取得の議案は定例会最終日の3月21日(水)に審議する。
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