子育ての語らい⑥ 「発想」を変えて「楽しむ」子育て
〜ガキ大将のいる生活4〜
私は”ガキ大将=子どもたちの目標”をピアノ教室の中でも意図的に作っています。
あるピアノ嫌いの中学二年生の女の子が他のお教室から移ってきたのは、かれこれ26年前のことです。彼女の年齢でバイエルという初心者向けの教本を弾いていたことに驚きましたが、でも彼女は何ともいえない良い音を出しました。そこで私は「ピアノコンクールに挑戦してみない?」と持ちかけました。
最初は悩んでいた彼女ですが、挑戦すると決めてからは驚きの変化。1日に何時間も練習を繰り返し、何度もお教室に通い、技術だけでなく精神力も身に付けなければならなかったので、彼女も私も本当に苦しみました。でもそれを乗り越え、応えてくれたコンクールの結果は大変素晴らしいものでした。
人は目標があると頑張ることができます。彼女はコンクールという目標を持つことで、必死に練習を積み重ね、努力を続けました。彼女はまさに”ピアニストガキ大将”になったのです。少し前までバイエルを弾いていたことも周囲の驚きとなり、彼女の演奏を聴いた子たちは彼女に憧れ、彼女を目標にし、努力するようになりました。
■プロフィール▼大学助手として勤務後、音楽教室を主宰。ピアノ・リトミックを教えて26年。通常の定期的な教室のほか、行政の依頼でも指導。人間教育をも行うリトミックが高く評価されている。著書『大丈夫大丈夫!子どもはぐんぐん伸びていきます』出版
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