子育ての語らい⑪ 「発想」を変えて「楽しむ」子育て
~子ども同士の外遊びがなぜ大事なのか~
子ども同士で遊んでいて、ある小さな子が転んでしまったとしましょう。最初は痛くて泣くかもしれませんが、何度も転んでいるうちに自分で立ち上がれるようになっていきます。そして大きくなるにしたがい、転ぶことがたいしたことではなくなります。
ケンカにしてもそうです。最初は小さないざこざで泣いてしまっても、何度もやりあっているうちに加減が分かるようになり、また相手の気持ちも分かるようになります。
小さなトラブルが解決できるようになると、少しずつその範囲も広がり、また大きな子が小さな子を見ることも自然にできるようになって、問題が大きくなっても自分たちで処理できる力がついてきます。
外遊びは体を使っているだけではなく、子ども同士の中で人が生きていくための力を蓄える練習と実践を繰り返しているのです。
幼児同士がケンカにならないように「譲ってあげたら?」とか「こっちで遊べばいいじゃない」と大人の知恵で子ども同士のトラブルをさけてしまうお母さんはいらっしゃいませんか。でも叩かれて初めて体の痛みを知り、また心の痛みを知ることができるのです。そしてなかなか言うことができない「ごめんね」を言う勇気と、「いいよ」と許してあげる優しさを学ぶチャンスもケンカにはあるのですよ。
プロフィール▼大学助手として勤務後、音楽教室を主宰。ピアノ・リトミックを教えて26年。通常の定期的な教室のほか、行政の依頼でも指導。人間教育をも行うリトミックが高く評価されている。著書『大丈夫大丈夫!子どもはぐんぐん伸びていきます』出版
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