子育ての語らい㉒ 「発想」を変えて「楽しむ」子育て
〜誰の目を信じるのか?〜
私をときどき困らせてくれる、ある男の子がいました。楽譜をよく見なくてもそれなりに曲が弾けてしまい、注意しても楽譜を見てくれません。
私はドレミ、ミレド、ドレミ、ミレド、のように単純な楽譜を書き、その中に小さな罠を仕掛けました。ドレミ、ミレド、ドレミ、ミレド、ドレミ、レレド・・・最後の部分で彼は見事に間違えてくれたので、そこで改めて楽譜をきちんと見ることの大事さを教えました。
「楽譜を見なきゃダメでしょ!」と言って直らないことでも、一人ひとりの個性を考えて、やり方を生み出してあげれば驚くほどの変化を見ることができます。
学校の先生にもいろいろな方がいらっしゃいますが、この男の子は先生から問題児扱いされていたとお母さんに聞きました。
いろいろな考えの先生がいらっしゃることを頭に置いて、なにか注意を受けたときに違和感や、どうしても腑に落ちないことなどがあれば、自分の「子どもと子育て」を信じてよいのではないでしょうか。
先生が子どもの一生の責任を取ってくれるわけではありません。親が一生その責任を持って、育てていかなければならないからです。
プロフィール▼大学助手として勤務後、音楽教室を主宰。ピアノ・リトミックを教えて27年。通常の定期的な教室のほか、行政の依頼でも指導。人間教育をも行うリトミックが高く評価されている。著書『大丈夫大丈夫!子どもはぐんぐん伸びていきます』出版。
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