徳富蘇峰記念館(二宮町二宮)の2016年度特別展・相模湾沿岸地域別荘の人々【1】『大磯を愛した日本の名士』展が1月6日から12月18日まで同記念館2階で開かれている。期間中は、明治期から昭和期にかけて活躍した大磯町ゆかりの政治家や実業家、文化人らが蘇峰に宛てた書簡などを一堂に展示。今回を皮切りに、県西編・湘南編と続く3回シリーズで年次展を行っていく予定という。
大磯町は湘南発祥の地ともいわれ、明治18年に初代陸軍軍医総監の松本順が国内初の海水浴場・照ヶ崎海岸を開き、その2年後に大磯駅が開設されて以来、一気に別荘文化が花開いた。伊藤博文や山県有朋・大隈重信・原敬・西園寺公望・吉田茂ら歴代宰相も続々と邸宅を建設。伊藤博文は明治42年、大磯駅で蘇峰らに見送られて外遊したハルビンにおいて暗殺されている。
同記念館の塩崎信彦学芸員によると、大正12年に関東大震災が発生する以前は多くの政治家が同町に別荘を建築し、以降は文化人らが好んで邸宅を構えた歴史もあるという。特別展では蘇峰に宛てた8人の歴代宰相からの書簡に加え、安田善次郎や三井高棟・岩崎弥之助ら実業家からの書簡、新島襄と八重・島崎藤村・中村吉右衛門ら文化人からの書簡計31通を紹介。その他、陸奥宗光が愛用したカバンや約3mにも及ぶ吉田茂宛ての蘇峰書簡手控えなど、貴重な資料27点も展示されている。
同記念館は毎週月曜日休館(祝日の場合は翌平日休館)で、開館時間は午前10時から午後4時まで。入場料は一般700円、高校・大学生500円。詳しくは同記念館【電話】0463・71・0266。
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