子育ての語らい㉝ 勝負の世界に挑むということ前
”子どもの実力がどこまで通用するのか”と興味を持つのは自然なことです。でも勝負の世界は、興味だけで勝てるわけではありません。
あるとき小学3年生のKくんのお母さまが、Kくんをコンクールに出したいと相談に来ました。でも頑張らないとならないのはKくん。どんなに上手でも”忍耐”が必要ですし、その子の持ち味や個性を抑えてしまうことにもなりかねず、私は「やめましょう」と言いました。しかしKくんのお母さまは譲りません。
そこでKくんには、これまでの何倍も努力しなければならないことを伝え、お母さまには家族全員で勝負に挑み、応援できるという強い意思があるかを話し合ってくるようお願いしました。
レッスンへの送迎、指導の付き添いなど時間的な制約もありますし、もし結果が残念なことになっても親は落ち込まず、子どもをしっかりサポートしなければなりません。中途半端な覚悟だと子どもがとても可哀想なことになるのです。しかし、それでもやりますとのことで、Kくんはコンクール出場を目指すことになりました。
寄稿▽一色由利子
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