鳥獣害対策の専門家として、全国の自治体で「イノシシが寄り付かない里づくり」の実践に取り組む井上雅央(まさてる)さん(67)を招いた鳥獣害対策講習会が、10月30日・31日に大磯町の西小磯西地区で開かれた。町が主催し、農作物生産者や県農業技術センター職員、JA湘南職員など延べ約100人が参加した。
井上さんは「なぜイノシシ被害が増えるのか。田畑や集落が餌場になってしまっているからです。住民がこぞって餌付けしているようなものなんです」という考えを出発点に、「悪いのはイノシシだからと駆除するのではなく、餌場を無くしてイノシシを引き寄せない、増やさない、田畑を守るための対策が重要」と指摘。適切な知識を身に付け、住民同士が協力しながら対策を講じることで被害を根絶できると呼びかけた。
後半は、井上さんが具体的な対策法を解説しながら地区内の田畑などを見学。イノシシの警戒感を高めるために竹やぶや茂みの下部を刈り込んで見通しを良くする、電気柵から農作物がはみ出さないよう、柵の内側に余裕を持たせて作付けする、落果した柿の実などは放置しないなど、実践的なアドバイスに参加者は耳を傾けていた。
栽培するミカンがイノシシの被害に遭っているという鈴木教夫さん(72)=寺坂=は「これからの時期は被害が増えるので、何とかしたいと思い仲間と参加した。学んだことを参考にしたい」と話した。
町内では、イノシシが収穫期の農作物を食い荒らす被害が春から秋にかけて多発しており、町では今年度だけで130頭を捕獲した。これまで人的被害が報告された例はないという。
来年1月7日の講習会では、やぶの刈り払いや柵の設置について学ぶ。
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