子育ての語らい㊾ 本のような人になろう
小さな子の初回のレッスンでは、まず一枚の紙を見せて「これなあに?」と子どもに聞きます。すると「紙!」と元気に答えてくれます。「じゃ、この紙吹いてみて。あれ?飛んでいっちゃったね」「うん、落ちちゃった」。今度は本を持ってきて、中の一枚一枚の紙を見せ、机の上に置いたら「今度はこれを吹いてみて!」と言います。
当然、いくら吹いても飛びません。「本はね、絶対に飛ばないの。みんなは、この一枚の紙のように吹いたら飛んじゃうような頼りない人になりたいですか?ご本のような厚みがある立派な人になりたいですか?」という話をして、日々の努力は一枚一枚の紙であること、それを積み重ねることが大切なのだと頭に入れていきます。
あるレッスンのこと。この春に小学1年生になったRくんとSちゃんが、宿題の曲を予習し始めたら、なんとそのまま弾けてしまったということが起きました。普段の努力の積み重ねがなかったら絶対に弾けません。私も、本人も、そして後ろに座っていたお母さまもビックリ。「この力は、自分で得た力なんだよ。どこにも売ってないよ。毎日頑張っていたからだね」とみんなでにっこりしました。
|
|
|
|
|
|