子育ての語らい㊿(最終回) 道を切り開くこと、その力を育てましょう
2歳のときに耳が聞こえないことがわかったひとみちゃん。「普通の子と同じように育てたい」というお母さまのお考えで、今から18年前にリトミック教室に通っていました。先日そのお母さまと偶然お会いしましたら、ひとみちゃんはもう大学生になっていました。
聾唖(ろうあ)者を受け入れてくれる大学を探し、農業に従事するお父さまが「緑のカーテン」を作っていたことから環境問題に関心を持ち、環境社会学部に入学。通学は2時間以上かかるので、一人暮らしをしているそうです。
仕送りや授業料など、大変なお金がかかることをひとみちゃんは理解していて、自らアルバイトを探し、週に3日、介護施設で洗濯や炊事場で黙々と仕事をしているとのこと。小さな頃から笑顔がかわいく、とても明るいひとみちゃんでしたが、今も職場の方や施設で暮らす方々からかわいがられているそうです。
今後はイギリス留学を望み、あちらで使われている手話を独学しているのだとか。「耳が聞こえていなくても、人は同じ、努力をするかしないかは自分次第です」とお母さまはおっしゃいました。ハンディキャップがあることを困難とせずに、自分で道を切り開くことはどんな人も変わりません。五体満足に産まれた私たちが彼女から学ぶものはたくさんあるのではないでしょうか。
―終わりの言葉―
第50回を迎え「子育ての語らい」は終わります。『子ども自身が獲得するのが真の力、親の助けで得るのは見せかけの力』です。一瞬で過ぎ去ってしまう子育ての期間をぜひ楽しんでください。お読みくださいまして本当にありがとうございました。
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