全国的に高まっているロードバイク人気の波は、湘南エリアにも押し寄せている。「ロード乗り」に人気のスポットとして知られる湘南平では6月、頂上にある展望台レストランの前にロードバイク専用の駐輪ラックが設置された。
ロードバイクは、舗装道路での走行を想定したレース用の自転車。平塚市内でロードバイクを扱う「ヒジカタサイクル」(花水台)の土方勇夫さんによると、手軽さとスピード感、健康志向の広まりなどで、20〜30代の若者を中心に、親子レーサーや退職後の余暇に楽しむ70〜80代の高齢者まで、幅広く人気を集めているという。
近年では、漫画『弱虫ペダル』の影響で女性ファンも増やしている。漫画の中に神奈川県を舞台とするレースが登場し、ファンの中には聖地めぐりとして湘南から箱根までを走る人もいるという。
湘南エリアの海岸周辺は、走行しやすい平坦な地形で自転車の利用者も多く、1967年に日本初のサイクリングコースが開通するなど、「自転車の街」として知られる。「距離感がちょうどいい」と都内から訪れる人も増えており、中でも、海沿いの一本道、国道134号線と、相模湾を一望できる湘南平が人気コースとして知られている。
ロードバイクの人気競技に上り坂のタイムを競う「ヒルクライムレース」があるが、湘南平は、その初心者練習コースや地元レーサーの練習場としても人気があり、頂上にある石碑の前で記念写真を撮る人も多い。
頂上にある展望レストランflatのオーナー、相原伸美さんと店長の龍亮さんもロードバイク乗り。「観光支援は勿論ですが、自分達も初心者の頃、急こう配が繰り返される湘南平の『激坂』を上り下りし、鍛えた思い出がある。ロードバイクを応援する店の一つでありたい」として、メンテナンスツールの貸出や、同店で飲食したロードバイク利用者にボトルチャージサービスなどしている。
利用者が増える一方、相原オーナーには気になることがあった。湘南平には駐輪場が無く、「それぞれ乗り手が個性に合わせカスタムし、1台100万円を超えるものもある。元々レース用で駐輪用スタンドが付いていない。倒れて壊れたりすることを恐れて、目の届くところに停めたいと考える方が多い」と、以前から平塚市にラックの設置を提案していた。
提案を受けた市みどり公園・水辺課も、以前から湘南平を訪れるロードバイク利用者を多く見かけ、何かできないかと考えていた。市販の専用ラックは高価なことがネックだったが、同課職員に溶接技術を持った人がいたことから、同課にある鉄パイプを利用し、費用も6千円程度に抑えたラックを作成した。
駐輪ラックは6月22日に設置された。設置から2カ月余り、利用者からの評判も上々という。同課は「さがみ縦貫道路や圏央道開通などで観光への期待が高まっている。車やハイカーに加え、ロードバイクという新たなアプローチで盛り上げていきたい」と話した。
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