小田原市第9分団 逆境はねのけ、快挙 消防操法大会で優勝
7月30日に厚木市で行われた「第49回神奈川県消防操法大会」の小型ポンプ操法の部で、小田原市代表の第9分団(田中勉分団長=写真前列中央)が、優勝にあたる最優秀賞に輝いた。小田原市代表チームの優勝は初で、加藤憲一市長も「歴史的快挙」と賛辞を送った。
大会は消防団員の活動能力強化を目的に2年に1度開催されている。ポンプ車操法と小型ポンプ操法の2種目があり、小型ポンプ操法の部には県内23の消防団が参加した。小田原市は市内22分団が輪番で参加しており、扇町・多古の二川地区を担当エリアとする第9分団は、1978(昭和53)年以来、36年ぶりの出場だった。
小型ポンプ操法は5人1組(1人は補助員)で、指揮者の指示のもと、1・2・3番員がそれぞれホースをつなぎ、約60m先の火点(的)を水で射抜く。タイム(最高20点)と4人の行動審査(60点)、敏捷性や規律、節度などの総合審査(20点)で争われる。100点満点でタイム以外は減点方式。
この大会で勝つために1年中練習を続けているチームもある一方で、小田原市は、輪番による経験の無さに加え、パワーで劣る古い型式のポンプを使っているハンディもあり、2〜4位チームに与えられる優秀賞が過去に1度あるだけ。田中分団長は、経験もなく、不利な条件であることを逆手に取り、優勝を目標に掲げ「何をどうして、どうすれば優勝に一番近道か」を分析。無駄の無い練習プランを練り上げる。団員は5月から毎週2〜3回の集中練習を開始。大会直前には「選手自身が何をどうすればよいのか考えるようになっていった」(田中分団長)という。
チームワーク活かし歴代2位の高得点
第9分団の出場選手は、指揮者・相田幸伸さん(44=写真前列左から2人目)、1番員・杉山大地さん(21=同一番左)、2番員・村山真康さん(38=同右から3人目)、3番員・川瀬豊州(とよくに)さん(34=同右から2人目)の4人。入団2年目の杉山さんの脚力と、同期入団で呼吸のあった村山さん・川瀬さんのホース捌きを武器に、「旧式ポンプ」のハンディを克服。歴代2位となる92・5点の高得点を叩き出し、宣言通り、優勝をさらった。
終始緊張し通しだったという相田さん。「手を真っ直ぐに揃え、報告や集合の声を掛ける時も手が震えていた」と打ち明ける。操法のビデオを見て、当初は「ロボットのような動きで、できない」とたじろいだ杉山さん。練習で昨年の優勝タイムをクリアするうち「優勝が実感できるようになった」と練習の成果を勝因に挙げた。「不利な部分があったからこその結果。綿密な計画が成功し、うれしい」と村山さんはチームワークを強調した。大会出場をきっかけに出来るようになった所作について川瀬さんは「今後も持続していきたい」と気を引き締めた。
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