3月のある日。川東タウンセンターマロニエに飾られた竹細工を見た女性から「感動したので、ぜひ取り上げてほしい」と連絡があった。作者は桑原に住む梅城利雄さん。さっそく情報を基に自宅を訪問。部屋に入ると、汽車や人力車、虚無僧、水車小屋など「どれだけ作ったか数えきれない」(梅城さん)というほど様々な種類の作品が出迎えてくれた。
梅城さんが竹細工をはじめたのは40年程前。重機の運転手をしていた当時、枕木をトラックに積む作業の際、ギックリ腰になり、1カ月の入院を余儀なくされた。しかし、注射を打ってもらうと「一発で治った」。あとは退屈な入院生活。暇つぶしに、と夫人に竹を病院に運んでもらい、竹細工を始める。大分の実家の近くにあった水車小屋を思い出しながら作った。未完成での退院となったが、見事な出来栄えに「看護師さんたちに『置いてって』ってせがまれて」と嬉しそうに当時を思い出す。
本格的に作り始めたのは定年してから。小田原市のキャンパスおだわら人材バンクの手工芸の講師として今でも毎年、豊川小学校の3年生を対象に竹細工を教えている。
梅城さんは、竹林の伐採ボランティアにも参加しており、作品に使う竹は曽我で、松ぼっくりや山茶花などの木の実は、広域農道や小田原球場周辺などで集める。青竹はまず火であぶり変色させ、模様を付ける。あぶることで油が抜け、乾くと固くなり、長持ちもするという。適当なサイズや大きさに切った竹や木の実は、整理されて道具箱に納められている。
元旦で74歳になった梅城さん。竹細工の他に元気の源は、2年前から教室に通っているボウリング。多い時は週に2回、レーンに足を運ぶ。最高スコアは241。「本当はまだまだ元気なので、働きたいんだ」と本音がぽつり。
梅城さんの作品は、成田公民館で数点見られる。
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