渡り鳥の飛来シーズンを前に、冬季中のカモの餌場を確保しようとする活動が本格化している。
活動するのは、市民団体「冬の雨みず田んぼ・冬みず田んぼ連絡会」(伊豆川哲也会長)。これまで個人で活動してきた伊豆川さんが、活動を拡大しようと今春に有志らと発足させた。
日本野鳥の会の会員として芦ノ湖に飛来するカモの個体数を調査してきた伊豆川さんは、1600羽以上だった1980年代後半をピークに、2015年には約100羽にまで激減している状況を目の当たりにしてきた。要因として考えられるのが、餌場の問題。「減っているのはコガモやカルガモなど、カモでも潜水できない種類。草など水面の餌を食べるため、冬場でも水田に水をはってもらうよう農家に依頼する動きが全国的に広がっている」と、地元でも活動を始めた。協力を得た上曽我の田んぼでは、今年2月に水をはると、すぐにカモの飛来が確認されたという=写真。
同会では小田原市や開成町など酒匂川流域の農家などへ協力を呼びかけているが、春に田植えを始める際、ぬかるんだ田では重機が使えないのではないかとの不安の声も聞かれる。伊豆川さんは「短期間なら影響は少ない」とし、「冬場に水をはることは雑草を抑制、ひいては減農薬にもつながる」と理解を求める。
約20年前からカモの保護に向けて冬みず田んぼに取り組む石川県加賀市では、協力する田んぼで収穫された米を「鴨米ともえ」として販売。5kg2980円と高価ながら、野鳥ファンなどに好評だという。
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