市内扇町から横浜の私立浅野高校に通う立野時康君(2年)が、4月に行われた全国高校総合文化祭将棋部門男子団体の部県予選で優勝。7月28日(火)・29日(水)に滋賀県で行われる全国大会に出場する。
団体戦には、同校棋道部約30人の中から選ばれた強者3人が挑んだ。先鋒、中堅、大将と3人並んで同時に指し、勝ち数の多い方が勝ちとなる。全48校が出場した県予選では、昨年優勝している同校はシードとなり2回戦からの参戦だった。
難なく決勝まで無敗で勝ち上がった同校。決勝の相手は、全国の常連で強豪として知られる横浜高校。大将を務めた立野君は、個人戦で優勝した相手との対戦。はじめから苦しい流れだった。並んで指している先鋒の戦局が不利とみた立野君は「絶対に負けられない」とプレッシャーを感じ手が伸びず、その流れのまま押し切られ敗戦。「自分は負けてしまったが、先鋒が勝った結果、2勝1敗で優勝できた。全国で借りを返したい」と先を見据える。
***
立野君が将棋を始めたのは小学校4年生の頃。「ただただ漠然と楽しかった」という。以後、父が家にいる時は将棋を指し、負けると「もう一局」と、何局も指し続けた。最初はハンディ(8枚落ち)をつけても負かすことができなかった父だが、局を重ね、勝利するごとに駒を増やし、中学に入ったころには、平手(同じ駒数)で勝負ができるほどになっていた。
中学で棋道部に入って以来、休みの日も都内の将棋道場へ通う将棋漬けの毎日が続く。現在はアマチュア五段。実際の会話がなくとも、盤上では「こういう感じでやろう」、「よし、のった」、「いや、こういう感じではどうか」と手で会話を交わし、一手一手の狙いが読める。「盤上で自分の意思を表明できるから楽しい」と魅力を語る。
準優勝に終わった昨年の全国大会を振り返り「今年は”その上”を目指したい」と静かに闘志を燃やす立野君。自分を将棋の駒に例えると「好奇心旺盛で色々やりたいが、まっすぐに突っ込んで戻ってこられない香車」と謙遜する。
檜の盤上で成って金となるか、いざ勝負。
小田原・箱根・湯河原・真鶴版のローカルニュース最新6件
|
|
|
|
おだわらシルミルってな〜に?9月28日 |
|