山北町の玄倉川上流で水面が青緑色に輝く”ユーシン・ブルー”がインターネットや雑誌で話題になるなか、丹沢湖畔から現地へ伸びる県営玄倉林道で、通行規制の対象となるマイカーの乗り入れが常態化している。
1960年に設置された県企業庁「玄倉第2発電所」近く水面が”世界遺産級の青い絶景”などとネット上で紹介され、昨年秋頃から横浜や川崎、品川、沼津などから乗用車が急増した。
玄倉第2ダムは丹沢湖畔から約6・2キロの玄倉川上流にある。林道が唯一のアクセス道路だが車で通行には県の許可が必要で7月から9月までは警察の規制区域となる。
湖畔から約3キロ先の車止めのゲートまでは乗用車で容易に進入できるがその手前には採石場があり、出入りするダンプカーが立ち往生することも多いという。
地元の登山関係者は「こうした状態は以前から続いてきたが丹沢湖ビジターセンターの閉鎖で悪化した。崖崩れなど安全面でも問題がある」と指摘している。
林道の車止めゲートの手前には広い空き地があり、多い日でここに30台以上の乗用車が駐車し、林道にあふれることもある。
今年5月の本紙の取材に県は「夏休み前までに簡易ゲートを設置して車の進入を制限したい」としていた。ゲート設置に備え山北町役場では、すでに観光客用の駐車場を湖畔付近に確保しているが、県は20日の本紙の取材に「お盆までに設置できるよう関係機関と調整する」としている。
玄倉林道では山側の岸壁が崩れやすく落石が頻発している。もともと登山道ではないため、林道としての管理はされているが登山道としての安全確保には至っていないのが実態だ。
昨年3月の県立丹沢湖ビジターセンターの閉鎖により登山客への案内や注意喚起の機会が減り、本来は県や町に寄せられるはずの問い合わせや苦情が地元商店に集中し、精神的な負担を強いられている。
丹沢大山国定公園内にある玄倉川には昨年秋、大手旅行会社が企画したツアーが25件以上組まれ、今年5月にも”ユーシン・ブルー”をめざす観光客が大挙した。川遊び客にも人気だが採石場まで入り込み、排泄物やゴミを投棄するなどマナーの低下も目立つという。夏休みに入り県による対応は急務といえそうだ。
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