大雄山最乗寺の玄関口、仁王門の手前に広がる南足柄市飯沢地区で、地域の有志住民でつくる飯沢研友会(代表不在)が43年間にわたり毎月1回、研修会を開いてきた。住民が互いの教養を高める目的で開き続ける”奇跡”の研修会が今年1月で通算500回を迎え、2月26日に加藤修平市長らを迎え記念式典を開いた。
小田原・足柄の歴史団体交流会の大脇良夫会長=開成町=によると、飯沢の魅力は「ご先祖様を大切にする暖かい文化」「人懐っこい風情」「それにしても坂の多い街」、飯沢らしい風景は「狩川と大雄橋」「飯沢八幡神社」「最乗寺への道」という。
この飯沢地区で1973年からほぼ毎月1回のペースで回を重ねてきた研修会は1時間の研修と1時間の交流会を合わせた2時間。2人いる幹事は半年ごとに変わり、この会には会長がいない。会則もない。
発足当初は40代から50代の24人でスタートした研友会も300回の30人をピークに会員数が減少し、8年前の400回では25人、今回の500回では15人まで減った。これまで100回ごとの節目で記念史を作ってきたが高齢化や会員の減少による財源不足から一度は制作を断念することも検討されたが「歴史ある研修会の記録を後世に残すことが継続へのステップになる」と、5冊目になる116ページの冊子を完成させた。
最年長は94歳
研友会は地域の市議、池田安次さん(故人)が立ち上げた。当時から会長を置かずに会を続けてきた。研修テーマは当番の幹事が決め、ストレッチ体操、救急救命、百人一首、コーラス、パークゴルフなど体験型のほか、防犯や文化、教育、企業、時には市職員や議員なども講師に招くなど「(幹事は)内容にこだわらず自由に進めてきた思い出がある」(500回記念史・北村正治さん寄稿より)。
2月26日の記念式典に招かれた加藤市長は「発足の精神を大切にしてこれからも継続してほしい」とエールを送った。
この日、実行委員長を務めた池田博さん(88)は「その時々の市長さんや教育長さんなど行政の皆様にも応援を頂き続けてこられた。現在は60代から94歳までと年齢層も広がった。若い人が入ってきてくれるといい」と話していた。
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