仙石原と南足柄、接続へ 環境負荷軽減や建設コストの面で“林道活用”案を採用
箱根町と南足柄市を結ぶ道路の案として、県や町などによる研究会が既存林道(明神・黒白・定山林道)を活用することを発表した。他の箱根外輪山を越える4ルート案は、トンネルや道路を建設する必要があり、主に建設コストや環境負荷の面で候補から外された。
林道(約11キロ)の大部分は道幅5㍍程度だが、現状を極力活用。当初案だった大型バスが通れるほどの拡幅や全線2車線化はしない見通しで「建設費も当初の90億円からかなり圧縮できる」(県道路整備課)。研究会では今後、林業関係者や警察と調整を図り、自然環境負荷の軽減について協議するという。
箱根観光の主な玄関口は箱根峠、乙女峠、湯本の3つ。これまで一般車が通れなかった林道が新たな玄関となれば、仙石原交差点と東名大井松田ICの間は車で50分ほどの距離に縮まる(当初案)。防災・救急搬送での連携はもちろん、夕陽の滝や酒水の滝、アサヒビール工場、大雄山最乗寺と箱根を組み合わせた周遊や、箱根に住みながら県央などに通勤する人が増える可能性もある。
林道ゲート付近で営業するゴルフ練習場の関係者は「仙石原交差点を先頭に渋滞すると観光客から『林道は通れますか』と聞かれることが多かった。一般車が通れるようになるのは嬉しい」と話していた。
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