湯河原町の吉村みなみさん 印章で名工会会長賞
湯河原町土肥に住む吉村みなみさん(24)が、先月29日にパシフィコ横浜で開催された「かながわ技能フェスティバル」の印章彫刻部門で名工会会長賞に輝いた。雪の結晶を意味する「六花」の字を2・4㌢四方のツゲ材に彫る部門で職人の卵など8人が腕を競った。
吉村さんは湯河原小・中学校出身で、鶴見大学文学部を卒業後に神奈川印章高等職業訓練校(横浜市)に入学。現在2年生として彫刻を学んでいる。入門の頃は彫刻刀の研ぎで指紋が消え生傷も絶えなかったが、今では小さな木材やゴムを回転させながら手際よく彫り込む腕前。鏡で映した文字を見ながら下描きして削る、機械に頼らないアナログな作業が良いのだという。「将来は独立し信頼され長く愛される仕事を目指します」。削りカスを吹き飛ばし、下を向いたまま笑顔を見せた。