どうでしょう「温泉発電」 箱根でシンポジウム 技術者などが実例紹介
温泉熱発電の可能性を探るシンポジウムが9日に箱根町で開かれ、地元の観光関係者など28人が役場に集まった。主催した「HOPE80」は東京農工大や早稲田大、北海道大などと小田原の企業などによる連携組織で、二酸化炭素80%削減を目指している。プレゼンでは今月新潟県松之山温泉に開所する温泉発電の実験施設や、地熱発電施設をもつ霧島国際ホテル(鹿児島県)の例などが続々と紹介された。中でも注目を集めたのが「バイナリ発電」。これは沸点の低いアンモニアなどの液体を温泉で熱し、その蒸気でタービンを回す仕組み。太陽光は天候不順で変動があるのに対し昼夜を問わず一定の出力が期待できる。
「まずは地元の合意形成を」
バイナリ発電にはある程度の温度と湯量が必要になるが温泉関連企業からは「箱根は源泉が分散している」という意見も。一方、今回コーディネート役となった亀山秀雄教授(東京農工大)は事前に湯河原の大観荘を視察、発電に適した湯量と温度があると感じたという。「温泉熱発電を実現するためには、まず地域での合意形成が大切。それから候補地選定や予算など青写真を描く必要がある」とコメントした。