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青年海外協力隊員として中国に派遣される 常盤明日香さん 湯河原町在住 33歳

公開:2012年6月22日

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どこにいても『寄り添う人』

 ○…「作業療法士」として病院で働いた6年間の経験と技術を、まだその名前が知られていない中国で広め分かち合うのが今回の使命。渡航を前に2ヵ月も語学漬けとなり、派遣先の中国内モンゴル自治区について学んだ。夏は緑の草原が続く風光明媚な避暑地、ところが冬はマイナス40度の極寒に一転する。それが待ち遠しいかのように「向こうは羊の肉や乳製品が美味しいみたいです」と笑った。

 ○…吉浜小、湯河原中、西湘高校を経ていったん理科系大学で教職を目指したが、ずっと頭の片隅にあったのは西湘高校時代の一日看護体験だった。「本当にやりたい事をやりたい」とリハビリ系の専門学校に再入学、資格を取得した。作業療法士は患者の筋力回復を助ける仕事とイメージされがちだが、実際はスプーンで食事をすくう、ボタンをとめるといった日常動作や、絵画・工作などを通して社会適応・復帰を助ける専門職。得意な手芸も生かせる天職でもあった。

 ○…「全てを忘れて波に集中できる」吉浜でのサーフィンが趣味。こごめの湯にも通っていたが、任期が2年ありしばらく温泉はお預けだ。もともと海外好きでペルーやボリビア、インドなどを飛び回った経験がある。ベトナム旅行の時にはなぜか小児病院を訪問。性格がそうさせるのだろう、献血を申し出たりする。「旅行といえば遺跡めぐり。ほんの少し現地の役に立つのも嬉しかった」。

 ○…「障害とは何か」。6年間考えながら働く日々だった。リハビリによって取り戻せることもあれば、取り戻せないものもある。現実と折り合いをつけながら受け入れて生きる患者たちの傍にいて、おぼろげだったものがくっきりしてきた。「その人が、その人らしく生きることを、お手伝いしているんだ」。体が不自由な患者がゴムや紐を駆使して靴を履く姿、通院患者が料理を作ってくれた姿。思い出の数々が日本を飛び出す羽になっている。
 

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