箱根登山鉄道の新車両 足元に絶景広がる
箱根登山鉄道の新車両3000型が14日、入生田の車庫で発表された。新型デザインは赤い車両の2000型導入から25年ぶり。
車体は緋色などを調整した「バーミリオンはこね色」とシルバーの組み合わせ。車内には前後に運転台があり、1両だけで運転できる。中央には対面シートを配置し、一部のシートをはね上げ式にして混雑を緩和する。運転席付近は展望性を重視。ドア付近は足元まで車窓が広がっており、箱根の自然がダイナミックに流れそうだ。この日公開された1両のほか、8月にもう1両を運び込み、9月に試運転、11月1日からの営業運転開始を予定している。
乗る人たちは何が大切か
デザイナーは白いロマンスカーVSEや青いMSEも手掛けた岡部憲明氏。富士宮出身、少年時代は鉄道模型が好きで東京の鉄道博物館に通った思い出も。建築家として、関西国際空港のターミナルや東京ベルギー大使館(千代田区)なども設計している。
車両デザインでは「乗る方達にとって何が大切なのか、本質なのかゼロから考えた」という岡部氏。何度も登山鉄道に乗り箱根らしさを見極めた結果、乗客が箱根の自然と一体化する斬新なデザインに行き着いた。「建築や家具の分野の材や技術も導入してきた。クライアントの理解があったからできた」と振り返った。