4月から「真鶴の魚つき保安林(お林)を多摩美大生の感性とKDDIの技術で伝える」新プロジェクトが始まった。
町ではお林の保全のため社会貢献型企業の呼びこみを目指しており、3月末には同社・同大とともに産官学連携を目指す記者会見を開いていた。同社はこれまで社会貢献の一環としてお林にマナー看板を立てるなどの活動を続けてきたが、26日からはKDDI研究所の技術「自由視点映像」(アングルを自由に変えられる映像)製作のため、ドローンと呼ばれる無人機=写真左を飛ばして野鳥目線の風景を収録。同社の鈴木裕子CSR環境推進室長は「波の音を聞きながら海鮮を味わえるなど、真鶴には魅力が多い。お林を歩いてさらに良さを体感した」と話した。多摩美大は4月〜9月の授業として参加し、自由視点映像の活用を探るほか、木材や貝殻を活用した「スマホ関連グッズ」の提案、スマホ画面を通じて現実画面に情報を加えて表示する「AR」を駆使した提案を目指す。26日には同社とともにイベントなどで町民と交流するなど町を「インプット」。今後は最終プレゼンの8月を目指してワークショップなどを開く。
変わりゆく森の調査も
お林は江戸幕府がクロマツを植林したのが始まり。明治期に御料林になり、戦後は県立自然公園特別地域に指定された。魚群を招く魚つき保安林とも呼ばれる。巨木が生い茂る森の中では松くい虫の被害で倒れるクロマツも多く、町は薬剤を注入してしのいできた。町内には「腐葉土の多い土壌がマツに適さなくなっている」という意見やマツの高齢化などを指摘する声もあるが、規模は広大で現状はつかめていない。KDDIでは樹の種類や太さなどを調査するシステムの導入やボランティア調査なども予定しており、保全を考える上でも大きな助けとなりそうだ。
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