不登校をテーマにイベントを開いた「色えんぴつの会」の代表 井上 誠さん 湯河原町宮上在住 58歳
じぶんの色をたいせつに
○…理由も様々な「不登校」をテーマにイベントを開いた色えんぴつの会。元々は発達障害の子をもつ親を支援するため、吉浜小PTA立ち上げた情報交換の会だった。勉強したい一心で同会に加わり始め、今では代表役に。これまで子育ての不安をいくつも聞いてきた。「落ち着きがない」「注意散漫で興味があるものにはのめり込みすぎて」…そんな時は叱ることをやめ、個性として見ることを勧める。「できない事を拾い集めるのでなく、できる事を伸ばす事もできる。積み重ねで、心配を乗り越えた親はたくましくい」。
〇…湯河原の住宅街にある宮上幼稚園の園長でもあり、父・敬徳さんが創立者。少年時代はエネルギーが有り余り、遠足で海岸に行くと自分だけ海に飛び込んで泳ぎ始めたり、突然大声を出して友達を驚かせてみせたり。「まぁ問題児でしたね」。湯河原小にでは絵画に引き込まれた。ゴジラとモスラを描く時は背景を都市で埋め尽くすまで気が済まない。担任の先生からの褒め言葉もあって、ノートはイラストだらけになった。
〇…背が伸びても”没頭型”は変わらず。西湘高校時代はロックミュージカルに魅了され、劇団の舞台美術を手伝い始めた。ニューヨーク公演に同行するために高校も中退してしまう。その後、劇団で同じ湯河原出身の巻上公一さんに声をかけられ、バンド「ヒカシュー」を結成。シンセサイザーを担当し、摩訶不思議な曲が国内外で人気を呼んだ。まったく違う横顔がいくつも隠れているかのよう。
〇…その傍らで宮上幼稚園の先生として絵を教えていた。7年前ほど前に逝去した父を継いで二代目園長に。「自分だったらこうする、という思いで続けてきました」。園長室には先代園長が作り上げた船の模型が複数鎮座している。1mはあろうか、職人顔負けの精巧な作りから伺えるのは先代の没頭ぶり。大事な色も受け継いで新しいグラデーションが続いてゆく。
|
|
|
|
|
|