東北地方 太平洋沖地震 鶴巻で道路が陥没 市内でケガ人2人
11日午後2時46分頃、三陸沖を震源に発生したM9・0の巨大地震は秦野にも大きな影響をもたらした。市内の震度は4の発表だが、多くの市民が過去に経験したことのない激しい揺れだった。
カタカタと小さな横揺れから始まった。その後、立っていられないほどの激しい揺れが襲う。
「ついに関東に大地震がきたか!」。
物は落ち、ガラス窓がきしんだ。2分、3分と続く。やがて「バチッ」との音とともに電気が落ちた。パソコン、電話は全く機能しない。情報の頼りはラジオと携帯のワンセグだった。
「東北地方で震度7」。
小さなテレビ画面からは大津波にのみ込まれた地獄絵図が次々と映し出された。
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秦野市内では全世帯の約25%にあたる1万6千7百世帯が停電した。秦野北口前の交差点など、市内各所で信号が滅灯。交通量が多いところに警察官が立ち交通整理を行った。
特に被害が出たのは鶴巻地区。おおね公園では駐車場や入口道路などに複数の亀裂が走り、テニスコートがひび割れた。このため当面の間、同公園内全ての施設が閉鎖となる。
同南地区の集合住宅では道路や駐車場が陥没、隆起するなどの被害が。住民は「家が歪んだのかドアが開きづらくなった。今まで暮らしてきて初めて」と話す。
ひかりのまち地区ではガス漏れが発生。約380世帯のガス供給が一時停止された。また水道本管の破裂損傷による断水も。給水車2台とペットボトルを積んだ貨物車が出動し、地域住民に水を配布するなどの対応が行われた。
人的被害では、鶴巻北地区に住む90歳の女性が揺れに驚いて転倒。大腿骨骨折で病院に運ばれた。南矢名に住む80歳の女性も余震で転倒し入院するなど2名のけが人が出た。
多くの人が足止めされた秦野駅(左) 信号が止まり、交差点で交通誘導する警察官(右)
地震発生後から小田急線が運転を見合わせたことで、秦野駅などには多くの人が足止めをくった。駅前にあるグランドホテル神奈中には帰宅をあきらめた人たちから予約が殺到。「17時過ぎから深夜まで電話が鳴りどおりだった」と担当者は話す。
市では家路につけない人のために市内4駅に対応する措置として、弘法の里湯、大根公民館、本町公民館、堀川公民館を避難施設に開放し、合計358人を受け入れた。深夜0時、小田急線が復旧し、72人が帰宅したが286人が避難所で一夜を過ごした。
一方、道路は東名高速が閉鎖された影響で国道246などが深夜まで渋滞した。
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