秦野市地域公共交通会議が委託して実証運行していた路線固定型とデマンド型の乗合タクシーがそれぞれ3月28日から事業者主体の運行を開始した。株式会社愛鶴(飯田隆明代表取締役社長)が路線固定型を、秦野交通株式会社(佐藤彰洋代表取締役社長)がデマンド型を担う。
乗合タクシーは、平成19年に施行された「地域公共交通活性化及び再生に関する法律」に基づき、国の補助を活用して実施された地域公共交通手段。路線バスの運行が無いなど公共交通空白地域の解消を目指し、採算性のある運行を実現させることがねらい。
渋沢駅・秦野赤十字病院とおおね台の2ルートは路線固定型とし、株式会社愛鶴が平成20年から利用者定員9人のワゴン型車両で実証運行を続けてきた。平成20年度は1便あたりの平均利用者数はそれぞれ1・93人と2・52人だった。運行本数や運賃を改定し、平成22年4月から今年1月は3・42人、3・14人と、共に増加している。
一方、渋沢駅南口エリアと栃窪・渋沢下エリア間は秦野交通株式会社がデマンド型として平成21年から実証運行を開始。車両はセダン型で予約制のため、昨年11月までの1便あたりの乗車人数は1・12人だった。乗合率を高めるため、ペア割といった割引制度を設定したほか、対象地域の長寿会員に試乗会を行うなどの取り組みを行っている。
3月24日に両社が関東運輸局から乗合事業の許可を得て、自主運行が実現。同法による地域公共交通活性化再生事業認定としては、県内で初となる。
3月28日、両社は市役所市長室を訪れ、古谷義幸市長に自主運行の許可を報告。古谷市長は「市民に喜んでもらえるサービスを実現するために協力いただけることはありがたい」と話した。
飯田社長は「スーパーや病院など手軽に利用していただければ。また、多くの方に知っていただけるよう宣伝も必要」と分析した。佐藤社長も「本格運行できるのも、地域の皆様のおかげ。交通空白地域を何とか改善できるよう、これから頑張りたい」と続いた。
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