神奈川県内で生産された茶(生葉)の放射能濃度について実施された検査で、秦野市での測定値は食品衛生法上の暫定規制値を下回り、安全が確認された。
今月11日、南足柄市で生産されていた「足柄茶」から県内で初めて規制値を超える放射性物質が検出された。足柄茶は、南足柄市以外でも秦野市を含む県央・県西エリアを中心に16市町村で広く生産されている。13日には続いて検査が行われたうち6市町村で規制値を超えた。
秦野市内では、11日に露地で採取された1回の検査で放射性ヨウ素は不検出、放射性セシウムは1kgあたり92Bq(ベクレル・放射性物質の量)で食品衛生法上の規制値500Bqを大きく下回った。
JAはだのでは「秦野のお茶を安心して飲んでいただきたい」とし、「店頭表示をするなど、風評が出ないように対策していきたい」と話している。
「神奈川のお茶を応援して」
「そりゃもう同業者として心が痛い」。JAはだの茶業部会(約40戸)の会長を務める高梨孝さんは表情を曇らせる。「県下でお茶をつくっているところはみんな仲間。常に情報交換をしている。(規制値を上回った地域の茶農家は)今後の生活に不安もあるだろうし、秦野が大丈夫だったからって手放しでは喜べない」と話した。
高梨さんの茶園では、今月6日から新茶の摘み取りを始めた。その後すぐに県から要請があり、3日間ほど工場の操業と販売を自粛。検査で安全が確認されてからは、通常通り出荷・販売している。ただ例年に比べ消費は鈍いという。小売が減っているほか、工場での委託加工の依頼のキャンセルもあった。
高梨さんは「収穫させてもらっている喜びを感じながら、粘り強く続けて信頼を回復していきたい。みんなで喜べる日が来るように頑張りたい」と語り、「1年間丹精込めてつくったお茶です。信じてもらうしかない。神奈川県産のお茶を愛して応援してほしい」と訴えた。
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