定年退職後、64歳(平成16年)から富士登山を開始し、今月26日に通算857回の登頂を達成した佐々木茂良さん(71歳・堀西在住)が、登山のコツや富士山の魅力をまとめた新書「まいにち富士山」をこのほど刊行した。発行は株式会社新潮社、188ページ、714円。
佐々木さんが登山を始めたきっかけは、1冊の小説と出会ったこと。「白馬岳の山頂に50貫(約187kg)の風景指示盤を背負いあげた小宮山正さんがモデルの『強力伝』を読み、ずっと憧れていた。退職を迎え、登山に挑戦する良い機会だと思って」と振り返る。
「当初は山のド素人だった」と苦笑いする佐々木さん。天候の悪い日以外は毎日富士山へ登り続けた。現在は顔見知りも増え、4つの山小屋に新聞の朝刊を届けることが日課になるほど”富士山漬け”に。1年ほど前から「自分自身の力だけではなく、周りの人や家族のおかげで登ることができた。今までの経験から学んだことや富士登山の達成感を伝えたい」と体験記をしたためるようになった。
昨年10月に新潮社からの執筆依頼を受け、今年6月に本が完成。東日本大震災で被災した岩手県出身ということもあり、売上金の一部を義援金にするという。「人生も登山も一歩一歩積み上げていくことが大事。富士登山を始めようと思っている方にも読んで欲しい」と佐々木さんは話す。今後の目標は「来年9月末に登頂1千回達成」。「登山は人生そのもの。楽しみながら続けたい」と笑顔をみせた。
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