師走に入り、市内渋沢にある「招福凧の凧っ平((株)クラフトおじさん企画)」の工房で、来年の干支「辰」を描いた干支凧の仕上げ作業が急ピッチで進んでいる。
墨を含ませた筆を持ち、サラサラと慣れた手つきで凧に名前を書き入れているのは浅見宝さん(32)。
竹の骨組みに和紙を貼り、着物と同じ染料で絵付けをしていく凧っ平の干支凧。小さいものは25センチほどのサイズだが、風を受ければ実際に揚がる精巧な作りだ。
物心ついたときには、父親の見よう見まねで凧を作っていたという浅見さん。第一線を退いた父の後を継ぎ、今では絵柄の考案から色付け、組み立て、そして全国各地の百貨店等での実演販売までを担っている。
干支凧の絵柄は、独自に研究した「干支学」に基づいて決めており、同じ辰年でも12年前のものとは色使いや目の向きなどが異なっている。詳細は「企業秘密」と笑顔を見せるが、来年は運気をつかみに行く年とのことで、来年用の辰の手にはおなじみの宝玉が描かれていない。名入れの書体にも、縁起が良いという独特の江戸吉兆文字を用いるこだわりぶり。
また同社の代表的な商品「招福達磨凧」にちなみ、毎年の干支凧にも達磨大師の禅姿モチーフを描きこんでいるのも特徴のひとつだ。今回は朱色の「辰」の文字が達磨形にデザインされている。
春から制作を始めた干支凧は、これまでに大小合わせて5000枚ほどが完成。30年以上継続して買い続けているというファンをはじめ、昇り龍(辰)の縁起にあやかろうと景気回復や運気上昇などを願う企業、個人からの注文も数多く寄せられている。
浅見さんは「辰は十二支の中で唯一の架空の生物。その超越したパワーを干支凧で家庭に呼びこんでみては」と話している。
同社の干支凧は、秦野駅前の名産センターで購入できる。名入れの希望はファックス(0463・88・3939)またEメール(tako@japan.email.ne.jp)で受付。12月13日(火)までは、横浜高島屋6階で実演販売も行っている。
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