秦野市とJAはだのなどで組織する「はだの都市農業支援センター」では、市内寺山の畑に設置した害獣の捕獲おりに捕獲通報装置を試験導入した。鳥獣がおりに入り捕獲されると、あらかじめ指定した携帯電話などに通知メールが送られる仕組み。農家にとって、おりの見回りの助けになるほか、害獣対策に役立つデータを得ることが期待される。
導入しているのは(株)NTTPCコミュニケーションズ(東京都)が開発した鳥獣わな監視装置「みまわり楽太郎」で、同装置の導入は全国で初。鳥獣がおりに入り扉が閉まると装置に電源が入り、1分ほどで「罠が作動しました」という通知文と作動した装置番号が指定した携帯電話などにメールで届く。
装置が設置された寺山の武美佐雄さん(71)の耕地は、市内でもシカやイノシシなどの害獣の多い場所。現時点では装置は作動していないが、とくに被害の増える冬場に装置の実力発揮への期待が高まる。長年獣害に悩まされてきた武さんは「いいものが開発されたなと思う。メールが届くのを楽しみにしている」と話している。
おりやわなを仕掛けると法律で見回りが義務付けられており、武さんは毎日現地に足を運んでいるが、装置の導入によってより素早い対応が可能になる。また万が一、誤って人間や猟犬などがわなにかかってしまった場合にもすぐに発見できる安全面でのメリットもある。
またこの装置から得られた捕獲地域や日時、数などのデータ管理によって同センターで今後の獣害対策にも役立てられる。「装置の導入で農家の方が少しでも楽になれば。安全性も上がります」と同センター。ほかにも来年度市内で数機導入する予定という。
秦野市内の害獣による農業被害額は年間5千万円強。毎年増加しており、被害地域も拡大しているという。現在、捕獲おりが51、くくり罠が41カ所に仕掛けられている。
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