野生鳥獣の農業被害 対策に約600万円計上 新たに捕獲用オリなど購入へ
秦野市は県と連携して野生動物による農業被害の軽減や野生鳥獣の保護管理に取り組んでいる。12年度の新規事業として「野生鳥獣保護管理事業費」として611万2千円を計上し、対策強化に乗り出す。
市ではニホンジカ、イノシシ、ニホンザルなど大型哺乳類による農業被害が深刻で、被害額は年間で約5千万円以上にのぼる。対策としてこれまで広域獣害防止柵やフェンスを設置し、農地への侵入を防いできた。また、猟友会が銃器による駆除を行っているほか、銃が使えない農地近くでは捕獲オリ、くくり罠などを設置。各野生鳥獣の個体数を調節している。
新たに立ち上げる事業は管理捕獲事業費補助、猿害防止対策事業費補助、ツキノワグマ追い払い事業、アライグマ防除事業の4つ。
管理捕獲事業費補助では、ニホンジカを中心とする野生動物の調査、管理捕獲を実施。また、防止柵の機能強化などを行う。市環境保全課は「一番被害が大きいのはニホンジカ。野菜の新芽や落花生、茶畑などが荒らされている」と説明する。ニホンジカは市内で年間約200頭を捕獲しているものの、被害は減らない。来年度は約300頭を捕獲し様子を見るという。
また猿害防止対策事業費補助では、蓑毛・寺山地区を縄張りとする猿の集団20匹の捕獲を計画。この群は伊勢原市との広域を行動するため「秦野伊勢原ニホンザル対策広域協議会(仮称)」を立ち上げ、伊勢原市と共同で実施する。同課は「オリで年に5匹程度の捕獲を目指す」と説明する。これまでも対策として、市は猿に発信機を付け群の位置を把握、農地近くまで降りてきた群が確認されると、シルバー人材センターに依頼し花火などで威嚇し山に返す対策を取っていた。
ツキノワグマ追い払い事業も新たに実施する。県内に約30頭が生息していると見られるが、固体が少ないため猟は自粛。一方で人を襲う危険性もあることなどから、花火弾や空砲などを用いて追い払う。
アライグマ防除事業では、特定外来生物に指定されている同種の生息調査を行う。秦野市では2〜3年に1頭捕獲する程度で被害は少ないが、伊勢原市や大井町では増加。「被害を防ぐため事前に手を打つことが必要」と同課は説明する。
同課は「本来の生息地ではない場所にいる野生鳥獣は、在来の生態系を壊す。里山の植物が食べつくされるなど異常が報告されているので、今回の対策強化で適正な個体数を保ち、人と鳥獣との適切な関係を構築できれば」と話した。
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