ロンドン五輪柔道73kg級の銀メダリスト 中矢 力さん 南矢名在住 23歳
見据えるは4年後の「挑戦」
○…「『リベンジ』より決意がこもっている感じがするので…」。帰国後、サインの横に4年後を見据えた「挑戦」の文字を書くようになった。マジックを握る手も書く字も、気持ちを代弁するかのように力強い。
○…愛媛県松山市出身。兄の影響で柔道を始めたのが5歳。その後小・中・高と柔道漬けの日々を送ってきた。自身の練習を振り返り「周りの言葉を素直に聞いて一生懸命努力すれば誰でも強くなれる」と子どもたちにエールを送る。高校2年生でインターハイ73kg級を制覇。東海大学に進学していた兄の言葉や、同大コーチの熱い想いが後押しとなり、「大学柔道の雄」として知られる同大への入学と上京を決めた。
○…秦野は「故郷と似ている。落ち着いていて住みやすい」とにこやかに話す。今年ALSOK社に入社した新社会人。同社を選んだ理由も「練習や生活の環境を変えたくなかったから」と照れ笑い。照れ屋とは本人談だが、常に絶やさない笑顔は「周りから好かれる、いいスマイル」と同社の先輩も太鼓判を押す。
○…日頃から大学周辺の店を利用し、学生時代からの顔見知りの店舗も多い。「リキ」と下の名前で呼びサービスしてくれる店も多いが「減量の時はきついです」と笑う。好物は麺類、日本食。帰国後秦野に戻るその足で、尊敬する井上康生コーチに連れられ寿司屋で日本の味を堪能した。「水タコが美味しかったです」と振り返る笑顔は、23歳、食べ盛りの若者の表情だ。
○…試合前は頭の中で今までの練習を振り返る。その際の右手を左胸に当て上を向く仕草は一種のげん担ぎで、大学時代心理学で学んだ「上を向くと落ち着き、前向きになる」という話がきっかけだという。「メダルは、家族やコーチ、仲間、地域の方たちなど、日本の皆様の応援を通しとれたもの。これからも日本そして秦野市民代表として、挑戦を続けていきたい」とこの日一番の笑顔を見せた。
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