日本たばこ産業株式会社 代表取締役社長 小泉光臣(みつおみ)さん 秦野市出身 55歳
たばこへの愛情と誇り
○…今年6月、「JT」の名称で知られる日本たばこ産業株式会社の代表取締役社長に就任した。「たばこが好きで好きで、それが1番」と、前身の日本専売公社に入社した理由を語る。「父も専売公社に勤めていたので、そういう意味では2代目です」。入社後まもなく、数年後に控えた民営化の準備プロジェクトチームに参加し、企業の将来に熱い議論を交わした。それから約30年。「ゴールではないが、あの頃ある意味で夢だった『多角化』『国際化』を果たし、現在の業容を構えていられるのは幸せ」と目を細める。
○…桜町出身で本町小、本町中の卒業生。国内外に5万人の社員を有するグローバル企業のトップは、かつてはタバコ畑や野山を走り回る活発な少年だった。進学した東京大学では2年生で、高校の同級生と結婚。まもなく息子も誕生した。「家庭教師やトラックの助手、弁当工場…とにかくアルバイトに精を出した。全く勉強しない学生だったね」。今では1歳の孫もいる。可愛いか、との問いに「それは野暮な質問だよ」と相好をくずす。
○…趣味の国内旅行で好んで足を運ぶのが関ヶ原や桶狭間といった合戦場だ。「ビジネスも戦場ですね」。現場の空気を肌で感じながら、古(いにしえ)の情景に思いを馳せ刺激を受けるのだという。モットーは「凡を極めて非凡に至れり」。人間は急に難しいことはできない。平凡なことを積み重ね、ある瞬間に非凡に変えられるかという意味だ。
○…「たばこは大人の嗜好品」といい、自身もセブンスターを1日に2箱ほど吸う愛煙家。だからこそ、喫煙する時と場所に心を配り、吸わない人とも共存できる「格好よい吸い方」を心掛ける。先月、秦野たばこ祭にあわせて秦野を訪れた。「300年以上もたばこの歴史がある秦野で、それを誇りに開催されるたばこ祭にJTが関わっていけることは幸せ」と思いを語った。
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