富士山噴火広域計画 降灰30cmで避難も 市内69カ所が土石流警戒
国や火山専門家、山梨、静岡、神奈川の3県などを構成メンバーとする「富士山火山防災対策協議会」が2月6日、富士山の噴火を想定した初の広域避難計画を策定した。神奈川県内では、主に降灰による影響が想定されている。秦野市は、噴火規模と風向きによっては、一部の木造住宅で避難が必要となる30cm以上の降灰が見込まれるエリアに含まれる。
富士山火山防災対策協議会は2012年6月に設立し、富士山の噴火にともなう広範囲にわたる火山災害への避難計画の策定を進めてきた。
計画では避難の対象とする火山現象について、「生命への危険性が大きい」とする火口形成、火砕流、大きな噴石、溶岩流、融雪型火山泥流、降灰後の土石流の6つと、「危険性が相対的に小さい」とする降灰、小さな噴石の2つに分類。避難方法や避難の対象エリアなどを定めた。
避難先については、まず各自の市町村内を原則とし、受け入れ可能人数を超えた場合に市町村外への広域避難とする。さらに、火山活動や地理的な要因、避難者の希望等があれば山梨、静岡、神奈川の3県が相互に協力し受入れを行うこととしている。
シミュレーションによると、宝永噴火(1707年)と同程度の大規模噴火が発生し強い西南西の風の場合、神奈川県内はほぼ全域が降灰範囲に含まれる。秦野を含む県西、県央の9市町村では30cm以上の降灰が見込まれている。
30cm以上の灰が屋根に積もり雨水などを含むと、重みで一部の木造家屋などは倒壊の危険があり、堅牢な建物への避難が必要になる。計画では、30cm以上の降灰で、県内40万6000人が避難する必要があると試算している。
また降灰のあった地域では土石流も発生しやすくなるという。秦野市内では、現時点で水無川以北の69カ所が、県による土石流の特別警戒地域・警戒地域に指定されている。
市防災課によると、富士山噴火による市内の避難対象は、一部の木造家屋の居住者や土石流警戒地域、また交通障害により生活物資の入手が困難な地域等と想定している。
秦野市内の一時避難所は、公立小中学校の22カ所と総合体育館の計23カ所となっている。
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