秦野赤十字病院(高木繁治院長)が、派遣元の昭和大学から今年度末で3人の産婦人科医引き揚げを通告されていた問題で、秦野市と同病院は12月26日、次年度に妊婦健診等は行うが分娩業務については休止すると発表した。同大学からの産科医派遣は一部継続する。休止される分娩については近隣協力病院を秦野赤十字病院が紹介することになるという。
現在3人の産婦人科常勤医は、次年度常勤医1人と非常勤医3人になる。産婦人科は夜勤・当直なし、昼間の外来のみで妊婦健診・産後ケア・新生児健診を行う。また妊婦健診・産後ケアには、医師の対応のほか助産師にも担当させる体制を整備する。古谷義幸市長と吉川伸治神奈川県副知事が先月25日、同大学と協議を行い決まった。
同病院では、次年度の診療体制にめどがついたことで、4月以降には妊婦健診などの産科外来の患者を受け入れる予定だ。
なお分娩業務は休止し、近隣市等の協力病院を紹介するとしている。しかし、受け入れ先となる病院への協力打診はこれからで、秦野からの地理的条件等も踏まえながら「今週以降、各病院にお願いに回る」としている。
同病院では「当初の全面撤退は避けることができたが、分娩ができない状態で市民の方にはご心配ご迷惑をかけ申し訳ない。分娩再開に向けて引き続き協議を重ねていきたい」と話している。
秦野市では、「公的役割を果たす地域の中核病院」として同病院に年間およそ1億5000万円の支出を続けている。病院運営への係わりは、同病院院長や秦野伊勢原医師会会長、副市長、市消防長らによる運営協議会に限られ、市では「もう少し突っ込んで運営に係われないか、病院側に依頼している」と話している。
秦野・伊勢原・中郡産婦人科医会の平井規之会長は、「昼間の外来のみでは、手術など緊急時の対応ができず不十分。17万都市の秦野で、早急に入院できる体制を整える事が必要だ。周囲の市町の産科医療も目いっぱいの状況で、無理がかかれば県西地域全体の産科医療の崩壊を招いてしまうことにつながりかねない」と指摘している。
秦野版のトップニュース最新6件
|
|
|
|
|
|
|
<PR>