里山の斜面から湧き出た清流を、覆い隠すようにびっしりと育った緑色の葉――。秦野市で唯一という自生種のワサビ田が、もうすぐ今年の出荷シーズンを迎える。小蓑毛にあるこのワサビ田は、5年ほど前に八木茂さん(65・秦野市尾尻在住)がボランティアで手入れをして復活させた。
ワサビ田の持ち主は松下雅雄さん(79・小蓑毛235)。自宅のすぐ裏にあり「以前、明治4年生まれの祖父に聞いたら(その祖父が)子どもの頃にはすでにあったらしい」という古いものだ。松下家では、自家製のわさび漬けや刺身の付け合せなどで日常的に食卓に上がっていたという。
はだの野鳥の会会長でもある八木さん。別に研究していた秦野の郷土菓子「秦野かりんとう」について意見を聞いたこともあり、松下さんとは以前からの知り合いだった。ワサビ田を初めて見たときに「自生種がありこれは貴重だと思った」と振り返る。しかし当時、幅3〜8m・長さ18mほどのワサビ田の大部分を占めていたのがフキ。ワサビはかろうじて太いフキの隙間に生えている程度だった。
2009年秋に松下さんの許可を得て、翌年1月からワサビ田の手入れを開始した。最初に手を付けたのがフキの除去。茎や葉だけでなく地中には小指ほどの太さの地下茎がビッシリ張っていた。水が均等に行きわたるように石積みなども行い、ワサビを株分けして植え付けまでがひと段落したのが5月。「グングン伸びた」と手応えを感じたところで、6月・7月にカブラハバチやモンシロチョウの一種の幼虫が大発生。ワサビ田と流域がホタルの生息地のため、農薬を使わず3日間かけて一匹ずつ手作業で駆除していった。
苦労が実り2012年から松下家の葉ワサビは直売所はだのじばさんずに出荷され、1日10〜15束が完売するほどの人気だ。今年は3月18日頃から出荷し5月初旬まで店頭に並ぶ予定。
自生種のワサビは地下茎が小さく茎や葉を食べる。現在も手入れを続けている八木さんは「ワサビ漬けや醤油漬けも美味しいですよ」とニッコリ。松下さんは「八木さんのお蔭でワサビ田といって恥ずかしくない素晴らしいものになった」と感謝を述べた。
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