堀山下のオゾンセーブ(株)(中西孝太郎代表取締役)が、県の「中小企業新商品開発等支援事業補助金」交付対象に採択された。同社が開発した断熱紙について、不燃性・難燃性を高めた製品への改良、廉価版の開発に向け、研究を進めることになる。交付補助金は331万6千円。
同社は空調機メンテナンス会社を前身として、1988年に設立。フロンガスの無害化処理を中心に事業展開を行ってきた。全国で同事業を行っているのは実稼働件数で40社程度で、市内では同社のみだという。
2010年からは新たな事業として断熱材の開発に力を入れ、「他にはないものを」と断熱塗料を製品化。現在は、工場や工業用品などに塗装され、使用されている。「こうした中で、お客様から薄い断熱材を作れないか、というご要望をいただきました」と話す環境改善事業部の中西笑美子さん。そこで、建築物の壁紙や熱に弱い製品を入れられる紙容器などへの用途を想定し、3年前から研究を開始した。断熱塗料の開発時に得ていた研究成果を元に、断熱性に優れたシリカと合成繊維を手漉きの要領で混ぜ合わせることで、紙状の断熱材を実現。これを「デックス・ペーパー」と名付け、使用用途に合わせて0・3㎜から1・2㎜までの薄さが作れるようにしたという。
製品は半年ほどで完成したものの「量産するためのパートナーを探すのが大変でした」と中西さん。様々な製紙会社にアプローチし、1年半後、高知県にある廣瀬製紙(株)との共同事業として事業展開を始めた。昨年春からは量産化を行い、今年2月から販売も開始。通常の厚い断熱材が使えない工場内の細い配管などに使用しているほか、一般家庭で障子紙などに活用されている。
「一つの案件に半年以上かけない」がモットーの同社は、社員数が6人。「少ない人数でも、こんなのがあったらいいというひらめきでチャレンジしていけば、チャンスが得られるのだと思いました」と中西さんは話す。今年度の同事業補助金の交付対象は9件で、うち同社は技術・製品開発分野で採択されている。同社では補助金を活用し、今までの製品に改良を加え、不燃性・難燃性を持たせた断熱紙の開発を進めるほか、要望の多い廉価版の開発にも取り組み、広く活用できる製品化をめざす。
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