生ごみを粉砕し、排水と一緒に公共下水に投入するディスポーザーが、4月から市内の一部で使用できるようになって半年が経過した。しかしまだほとんど普及が図れていないという現状が明らかになった。
昨年12月議会で条例が改正され、今年4月から県内の自治体で初めて解禁された「ディスポーザー」。この装置は一般家庭のキッチンの流し台の下に取り付ける装置で、家庭から出る生ごみを投入すると機械が粉砕し、そのまま水と一緒に排水管から公共下水に流す仕組みになっている。秦野市は導入した場合の効果として、可燃ごみが減量されることでゴミ出しの負担が軽減されることや、生ごみなどを溜めなくてすむので、悪臭がなくなり、キッチン周りが衛生的になることなどを挙げる。
5万5千円上限に市が補助金
ディスポーザーは秦野市浄水管理センターで下水処理を行う、中央処理区(本町・東・南・北地区など)の約4万4千世帯(全世帯の72・5%)を対象に設置が許可されたが、開始から半年を経過して、ほとんど普及が進んでいないのが現状だ。10月末現在で、ディスポーザーが設置されているのは市内でわずか11台のみ。そのうち4台は、普及を目的に、仕組みなどを説明するために本町公民館に設置されているものだ。秦野市では装置の普及を図ろうと、11月3日の市民の日に啓発ブースを設けるなど取り組んでいるものの、成果は上がっていない。「ディスポーザーがどういうものなのか、どういうメリットがあるかなど市民に周知していくよう努めていきたい」と話す。
この装置を一般家庭で導入しようとした場合、およそ12万円の費用が掛かるというが、市では機械本体に4万円、設置費用に1万5千円を上限とした、補助金を交付している。
新たなゴミ処理計画の中で目標値などを検討
秦野市では2017年度から新たなゴミ処理計画がスタートする。この中でディスポーザーの普及をどの程度図っていくのか、普及に伴ってゴミ処理にかかるコストがどの程度軽減されるかなどについて検討を行うとしている。
また将来的に効果が認められれば、現在設置が認められていない西地区の下水道処理を担う神奈川県の流域下水道区域や大根鶴巻地区などを担う伊勢原市にも要請し、市全体でディスポーザーが利用できるようにしていきたいとしている。
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