秦野を舞台に撮影された映画「じんじん〜其の二〜」の完成披露特別先行上映会が、2月24日・25日に秦野市文化会館大ホールで行われ、2日間3回の上映に合計3900人が来場した。
映画「じんじん〜其の二〜」は絵本の里として知られる北海道剣淵町を舞台に描いた映画「じんじん」の続編として製作された。前作に続き、秦野市在住の山田大樹監督がメガホンを取り、俳優の大地康雄さんが企画・主演している。
撮影は、2016年6月頃から秦野市内で行われ、秦野市観光協会などが協力。多くの市民がたばこ祭のシーンのエキストラや、撮影中の炊き出しなどに協力した。市民や企業から募った協賛金は、およそ5000万円にのぼり、製作費1億3千万円の一部に充てられた。
編集作業などを経て、今年1月に完成。今回、公開に先駆けて秦野で初めて上映された。
上映初日の24日。午後4時頃から秦野市立図書館で記念植樹や記者会見が行われ、開場の1時間前には文化会館入り口前に長蛇の列ができた。開場時間になると、約1500席があっという間に満席に。上映前に舞台挨拶が行われた。
舞台挨拶には山田監督や大地さんのほか、福士誠治さん、鶴田真由さん、菅野莉央さん、津田寛治さん、苅谷俊介さん、山野海さんといった主要キャスト、映画に登場する絵本や題字を手掛けた絵本作家のあべ弘士さんが登壇した。
山田監督は「僕は秦野に住んでいるので、市民としてのプレッシャーを感じながら製作してきました。秦野の方々、スタッフ、俳優の皆さんのおかげで完成した映画です」と話したあと「エキストラで出演した方、スクリーンの中で自分を探す事に集中しすぎると、いつの間にか映画が終わってしまいますよ」と冗談めかして話し、会場から笑いを誘った。
「故郷の良さ再認識した」
今作は秦野を舞台に、親子の絆と林業を通した自然環境保護をキーワードに、人と人とのつながりや、困難に立ち向かうことの意味を描いた作品。福士誠治さん演じる山下哲生という若者が、自分の進む道に迷う中、主人公の立石銀三郎(大地康雄さん)と秦野で出会い、林業のアルバイトをしながら、人々の温もりに触れ、次第に心を開いていく。
上映中は、主人公「銀さん」のお茶目な行動に会場から笑い声があふれ、クライマックスシーンでは感動して涙を流す来場者も。エンドロールには協力した市内の団体や企業、秦野市民の名前がずらりと並んだ。
上映後、会場が明るくなると、古谷義幸市長は前作の撮影地・北海道剣淵町から駆け付けた早坂純夫町長と固く握手を交わした。
文化会館の出口をあとにする来場者たちは、「前作も観たけれど、銀さんはやっぱり面白いね」など、それぞれ映画を振り返って思い思いの感想を口にした。家族と共に鑑賞した女性(40代)は「秦野が素敵なまちなんだなって改めて思えた」と笑顔で話した。また、エキストラとして出演した人は「私、映っていたよ」と嬉しそうに話し、「自分の名前が映画のエンドロールに出てくるなんて」と喜んでいた。
前作の映画「じんじん」は2103年の劇場公開後、3年かけて全国各地で上映会を開く「スローシネマ方式」で上映された。全国47都道府県の各市町村で上映され、約30万人が足を運んだ。今作も同様の方法で公開される予定だ。
![]() 文化会館前で先行上映会の開場を待つ長蛇の列
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