横浜市はこのほど、市耐震改修促進計画の改訂を行い、緊急交通路指定想定路線沿いの古い耐震基準で建てられた建物の耐震診断を義務化する。一方、建物の診断費用については、所有者の負担がゼロとなるよう助成も行う。
計画改定は11月25日、改正建築物耐震改修促進法が施行されたことに伴うもの。市ではこれを受け、市内に20路線あり、災害時に救急車や物資運搬車両の通行路として一般車両を規制する緊急交通路指定想定路線を、法による緊急輸送道路に指定。路線沿いにあり、古い耐震基準で建築された一定以上の高さの建物は耐震診断が義務化される。
診断結果の市への報告期限は3年後の2016年12月31日。期限までに報告がない場合、市は実施期限を定めた命令を出し、それでも従わない場合は100万円までの罰金を科すことができる。対象となる建築物は市内で約580棟となる。
これに先立ち市は、11月15日まで市民などから意見を募集。その結果、20件の声が寄せられた。市建築局建築企画課では「総論賛成も、費用負担の問題もあるので、支援の充実を求める声が複数あった」と話す。
国と市で全額助成
義務化を踏まえ、市は耐震診断にかかる費用の助成も行う。義務の対象建物では、国が2分の1を支援。残りの2分の1を市が助成する。図面があり、標準的な設計の建物であれば、所有者の診断費用の負担はゼロとなる。
公表に実施躊躇も
対象建物の診断結果については、原則公表される。
診断は新しい建築基準で行われることから、旧基準では適合していた建物でも「耐震不足」となる可能性がある。商業ビルでは入居テナントの営業に影響が出ることや、耐震不足と判定された建物の近隣住民から不安視する声が上がることも予想され、「診断をためらう所有者も出てくるのでは」と担当課では危惧する。
市では、耐震改修の補助制度周知などで、診断実施の促進をめざす。
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