東京2020パラリンピック競技大会の正式種目、車いすバスケットボール。同大会で活躍を期待されているのが桐蔭横浜大学3年生の古澤拓也選手(23)だ。現在は日本(シニア)代表入りを目指し、練習の日々だ。
車いすバスケはパラリンピックの第1回大会から続く花形競技。ボールの大きさやコートのサイズ、ゴールの高さや出場人数など基本ルールはオリンピックとほぼ同じ。大きな違いは、障害の程度が重い順に1・0点から4・5点まで0・5点刻みで選手は8クラスに分けられており、コート上の5人の合計持ち点は14・0点以内で構成しなければならない点で古澤選手は3・0クラスだ。ダッシュ・ストップ・ターンなど車いすを自分の身体のように使うスポーツで、激しい接触やタイヤの焦げた匂いなどパワフルでスピード感溢れるゲームが魅力だ。
U23主将も経験
パラ神奈川スポーツクラブに所属する古澤選手。先天性の二分脊椎症が進行し、小学6年時から車いす生活となった後、中学時代から車いすバスケを始める。U23世界選手権には高校2年生だった13年大会から出場。続く17年大会は主将として日本チームを4位に導くなど国際経験を積んできた。現在は(一社)日本車いすバスケットボール連盟の強化指定選手で、19年11月、12月に行われた「アジアオセアニアチャンピオンシップス」にシニア代表として出場。パラリンピックの代表選考はこれからだが、活躍が期待される有力選手だ。チームではポイントガードとして得点源の選手に正確なアシストをするのが役割。個人としてはドリブルやパスなどボールハンドリングが上手く、3ポイントシュートも武器。アシストしながら自身もスコアラーであることが強みだ。また、ディフェンス面でも相手のボールをカットするスティールでチームに貢献することも多い。
パラリンピックでメダルを獲得したことはないが、シニア代表の目標は金メダル。古澤選手も「そこに全集中をしていきたい」。個人としては「まず東京パラリンピックに出場すること、そして中心選手として活躍できること」を目標に挙げつつも「東京パラリンピックはあくまで通過点だと思うので、その先も見据えながら全力で取り組んでいく」と思いを語る。また「(出場できれば)自分がどこまで通用するのか知る良いきっかけになる。その中でどれだけやれるか、世界に通用する自分を出したい」と出番を心待ちにしている様子だ。
大学も後押し
大学ではスポーツ健康政策学部に所属。月曜から金曜まで授業を受け、地域スポーツマネジメントやスポーツ政策論などを学ぶ。練習は週6日、7日あり、オフは1日あるかどうかという多忙な日々だ。そんな生活をサポートすべく、大学側はプロジェクトチームを立ち上げ、学生のマネジャーやトレーナー、バスケットボール部が参加、協力をしている。古澤選手が「一緒に高め合っていける仲間」と全幅の信頼を置いている体制でパラリンピック出場を後押ししている。20年は大学4年生となる年でもあるため、学業とともに自分のキャリアも考えていきたいと話す古澤選手。将来は海外でのプレーも視野に入れているという。
「魅力を感じて」
古澤選手は「車いすバスケという競技を知っている人も知らない人も1度見ればスポーツの1つとして魅力を感じてもらえると思います。ぜひ、パラリンピックであったり、その前後の国内大会を会場で見てもらえれば。応援よろしくお願いします」と話している。
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