心身機能の障害で医療機器やケアが必要な医療的ケア児・者らの在宅生活支援を総合的に調整する「横浜型医療的ケア児・者等コーディネーター」の活動が、4月から市内全区で始まっている。養成研修を受けた訪問看護師が互いに連携を図り、ケア児・者と家族、地域関係機関とのつなぎ役を果たしていく。
対象児・者1500人
医療的ケア児・者は、呼吸や栄養摂取、排せつなど日常的に医療機器を必要とする人で、医学の進歩を背景に全国的に増加。ケア児は推計約2万人と、10年前の2倍近く増えており、成長段階に合わせた総合的な生活支援が求められている。
市内でも医療的ケア児・者が年々増加し、ケア児500人、重度の知的障害と肢体不自由を重複する重症心身障害児・者を含めると1500人(どちらも推計値)いることから、市は支援体制を整えるべく医師会と協働で事業展開。2018年度は関係機関との協議の場を設け、昨年度には市内初となる横浜型医療的ケア児・者等コーディネーターを磯子区医師会訪問看護ステーションを拠点に1人配置し、一部の区で支援を開始した。
6人で全区カバー
今年度からはこの動きを一歩進め、鶴見・南・旭・青葉・都筑区医師会訪問看護ステーションにもコーディネーターを配置し、6人体制で全区に支援の輪を広げた。
今後の具体的な業務としては、学校内で胃ろうトラブルが起こった場合に備え、近隣の診療所との間で受け入れ調整を行うなどの活動をイメージしているという。
「横浜型」の特徴は、児童だけでなく成人以降や重症心身障害児・者も支援対象とし、訪問看護師をコーディネーターとして養成していること。
これまでの相談件数は月5件ほどで、保育園や学校卒業後の施設紹介、成人以降の支援サービスなどの問い合わせが多いという。
昨年度からコーディネーターを務める北島美樹さんは「地域関係機関と顔の見える関係づくりを行い、今後はコーディネーター間で情報共有を図りさらなるニーズを掘り起こせたら」と話す。
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