青葉区しらとり台在住のバイオリニスト、澤田智恵さん=写真=が、医療従事者に支援金を届けたいとクラウドファンディングに挑戦している。支援者へのリターンはオンラインバイオリンコンサートの配信で、支援金の受付は9月25日午後11時まで。
ロシア国立グネーシン音楽院で学士と修士を取得し、世界を舞台に演奏を続けている澤田さん。日本ウクライナ芸術協会の代表も務め、両国の芸術文化の懸け橋としても活躍している。そんな澤田さんも新型コロナの影響でコンサートはすべて中止に。そんな折、自身の生徒でもある看護師からコロナ禍における医療現場の状況と、それでもなお命を守る使命感に感銘を受け、今回の支援策を思い立ったという。
支援先はウクライナと関わりがある自治体を考慮し、「かながわコロナ医療・福祉等応援基金」と「京都府新型コロナウイルス感染症対策応援寄附金」に加え、ウクライナで病院に医療物資を配布している国際NGO「ADRA(アドラ)ウクライナ」の計3カ所。支援先を指定することも可能だ。支援金はクラウドファンディング手数料と経費2万円を除き、全額を医療現場で必要な事柄に使ってもらえるようにする。すでに目標金額は当初設定の50万円を超えているが、最終目標は3千万円としており、期限まで支援を募る予定だ。
有名曲など8曲を配信
リターンとなるコンサートは既に収録済で、9月末の配信予定。出演者は澤田さんのほか、ピアニストのユリヤ・レヴさん、ゲストに朗読家の武松洋子さん。そしてウクライナが世界に誇るバイオリン界の重鎮、オレグ・クリサ教授に加え、ウクライナ国立室内アンサンブル「キエフ・ソロイスツ」も特別ゲストとして参加している。プログラムはJ・E・F・マスネの『タイスの瞑想曲』やS・ラフマニノフの『ヴォカリーズ』など有名曲を含む8曲。クラウドファンディングのサイトには2曲が無料公開されている。また、同コンサートは在日ウクライナ大使館の後援事業。
支援メニューはシンプル支援3千円、スタンダード支援1万円、エクセレント支援3万円ほか。澤田さんやオレグ・クリサ教授の出張生演奏や、アメリカの音楽大学教授によるオンラインバイオリンレッスンなども用意されている。
澤田さんは「おうちでコンサートを楽しむことが、医療従事者の支援になるプロジェクトです。医療現場を皆で支えましょう」と呼びかけている。クラウドファンディングサイトは「READYFOR 澤田智恵」で検索。【メール】society_japan_ukraine@yahoo.co.jp
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