2021年のスタートに合わせ、本紙では青葉区の小澤明夫区長=写真=にインタビューを行った。昨年4月に就任した小澤区長は新型コロナウイルスの対応に加え、「新しい生活様式」を踏まえた区政を語った。
対応に追われた1年
――昨年の所感を。
「新型コロナの対応に追われ続けた1年でした。区内でも多くの感染者が発生しましたが、医師会をはじめとした医療関係者の皆様にお力添えをいただきながら、一つ一つ対応を行ってきました。区民の皆様にも生活の中で感染拡大防止対策に取り組んでいただき、感謝しております。
区役所では、コロナ禍において区民の皆様の安全で安心な暮らしをお守りするため、全ての業務や行事について点検を行いました。その中で、大変残念ではありましたが、青葉区民まつりや青葉区民マラソンなど、中止や見直しを迫られた事業も多数ありました。
一方、地域福祉や子育ての現場である地域ケアプラザや保育施設などと迅速、密接な情報共有を行うため、他区に先駆けてウェブ会議を始めるなど、新手法も取り入れました。他にも区民の皆様を対象にした青葉6大学連携特別講座は、従来の会場開催だけでなく、オンラインでも実施したことで、より広く参加を募ることもできました。
昨年はこれまでにない難しい環境でしたが、『住みつづけたい・住みたいまち青葉の実現』という区運営方針の基本目標と向き合い、区民の皆様の健康や安全安心、そして地域のつながりのために、それぞれの職員が様々な工夫を凝らし、目標達成に向けて事業を進めてきた1年でした」
緊急事態宣言を受け
――7日に緊急事態宣言が出されました。区民の健康をどのように守っていきますか。
「区民の皆様には引き続き、マスクの着用や手指の消毒を徹底していただくとともに、3密を避けること、飲酒を伴う懇親会、大人数・長時間の会食を控えること、人との接触機会を減らすため、外出を可能な限り自粛することなど、ご協力をお願いします。
新型コロナ情報は区HP(ホームページ)やFMサルースが提供しているスマートフォンアプリなどを通じて発信していきます。このアプリは区内の災害・気象情報などの緊急情報も自動的に受信するので、災害時の備えとして日ごろから使ってもらえればと思います」
「健康づくり」が大切
――外出の自粛により、運動不足なども懸念されています。健康づくりへの取り組みは。
「感染症予防には日々の健康づくりが大切です。例えば横浜市が考案したロコモ予防トレーニング『ハマトレ』や、ウオーキングなどでこまめに体を動かし、体力を維持することも重要です。また、昨年から区内の魅力にふれつつ健康づくりの参考になればと、『運動』『食生活』『健康チェック』の3つの視点から具体的なアクションを呼びかける『あおば健康スタイルブック』を区HPで公開しています。ご覧頂き、毎日の暮らしにお役立てください。
また、外出自粛に伴い、運動不足や体力の低下を感じている区民の皆様のために、スポーツを始めるきっかけや健康づくりにつなげたいという目的で、1月9日から17日までオンラインマラソン『青葉チャリティーラン』を開催中です。これは指定のアプリを使い、GPS計測により行うマラソンで、参加者自身の好きなタイミング、好きなコースを走れるのが特徴です。『日時』と『場所』を分散できるため、3密を避けて安全に参加できる初の試みです。また、参加費の一部を元に医療物品等を購入し、新型コロナ対策にご尽力いただいている医療機関の皆様に寄贈いたします。うれしいことに小学生から80代の方まで、幅広い世代の方にエントリーいただけました。もちろん私も走っています」
行政手続きは郵送で
――区役所の対策は。
「来庁者の感染防止対策として、消毒液・アクリル板の設置や庁舎内換気のほか、カウンターの消毒作業や待合スペースの間引き等、継続して実施しています。また、3密を極力避けるため、郵送でも行うことができる手続きをHPに掲載し、推奨しています。来庁者の皆様にはご不便をおかけしますが、何卒ご理解いただきますよう、お願いいたします」
災害時の対応は
――災害対応も変えていく必要があります。
「マスク・消毒液・体温計等の感染症対策物品を区内40カ所ある地域防災拠点全てに配備しました。また、昨年8月には、避難所を運営する地域防災拠点運営委員の皆様を対象に、発熱患者の誘導方法など新型コロナを踏まえた研修を実施しました。このほか、大型台風接近時等に開設する避難場所を3密防止の観点から9カ所拡充し、河川付近を中心に計18カ所開設することとしました。今後も避難所運営に必要な支援を進めていきます」
「つながりづくり」テーマに来年度の取り組み語る
――昨年度に行われた区民意識調査で「人とのつきあいの希薄化」が課題とあり、今年度の区運営方針では地域活動を始める「きっかけづくり」や交流など「つながりづくり」が大きく掲げられています。しかし、コロナ禍で従来とは異なる方法が求められます。
「区民意識調査では青葉区について愛着や誇りを感じている方が8割を超える一方で、居住地域における課題や問題として、4割弱の方が近隣の人とのつきあいの希薄化を挙げています。現在は新型コロナの影響で、以前と比べると近所の方や趣味の仲間等との顔を合わせた付き合いや地域活動を行いにくい状況にあると思います。しかし、この状況だからこそ、感染症対策に取り組みながら青葉区の特徴でもある活発な地域活動の灯を消さない、むしろさらに大きくしていくために『人と人』『人と地域』など様々な『つながりづくり』を進めていきたいと考えています。そのために『あなたの力の1%をあおばの未来に!』の合言葉の下、進めてきた地域に踏み出す『きっかけづくり』とともに『つながりづくり』の新たな取り組みを進めていきます。
来年度の事業となりますが、これまで行ってきた講座や座談会などの交流の場をリアルだけではなく、オンラインでの実施も含めて拡充することを検討しています。地域活動を考えている人が、各種団体や事業者とつながる場を作り、活動ノウハウの習得や仲間づくりをするとともに、団体や事業者同士のつながりも生み出せるようにしたいと考えています。
また、保育施設による育児関連動画の配信に加え、育児相談をオンラインで行えるようにするなど、妊娠中の方や在宅で子育て中の保護者が孤立することなく、地域とのつながりを感じながら育児できる環境づくりなども検討しています。
来年度は『つながりづくり』を大きなテーマとして考えています。これまで以上に人材や団体の交流を促進し、地域での『つながりづくり』を推進することで地域活動の活性化や地域福祉保健計画の推進を実現できるよう取り組んでいきます」
「区の魅力PRしたい」
――区民に向けては。
「引き続き、区ではイベントや講座でICTを活用した分散開催を検討するなど、『新しい生活様式』に対応した事業実施にチャレンジします。私自身としては昨年4月の着任以来、美しい街並みに豊かな自然、おいしい地元の野菜や果物、地域の魅力をつくりあげている区民の皆様の活動など、まちの素晴らしさを感じていますが、コロナ禍で行動に制限があったこともあり、もっともっと多くの方とお会いしたいと思っていますし、さらに深く青葉区の魅力を探求したいと思っています。そして今後も区の魅力を区の内外に積極的にPRしていきたいと考えています。
新型コロナウイルスは必ず収束します。その時までお一人お一人が大切な人を守るためにも感染防止対策をしっかりしていただき、健康づくりなどにも取り組んでいってほしいと思います。区としても今できる最善の取組をし、区民の皆様のお力になれるよう職員一同一丸となって頑張ります。引き続きご理解、ご協力のほど、よろしくお願いいたします」
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